著名アクティビスト(物言う株主)のカール・アイカーン氏は、戦いに没頭することで得られる興奮に勝るものはないと考えている。89歳になる大富豪のアイカーン氏はここ数年、いくつかの問題で守勢に回らざるを得なかった。上場している自身の投資会社アイカーン・エンタープライゼスが2023年に空売り投資家の攻撃を受け、時価総額と同氏の純資産が数十億ドル失われた後、アイカーン氏は同社の再建に力を注いでいる。だが、最近になって、投資チームのあるメンバーとの関係が険悪になった。そして、自身が好み、富をもたらしてきた株主闘争を繰り広げることは、ほとんど不可能になったと感じている。生活面では、90歳の誕生日が近づく中で健康不安を抱えているほか、25年以上連れ添った妻と別居したことで、頼りにできる味方を失った。