米民主党にとって4日の結果は、三つの選挙で圧勝した以上の意味があった。ドナルド・トランプ大統領が政治を牛耳る中、勢いと力を失っていた党の復活に向けて道筋が見えてきた。中道派とされ、国家安全保障分野の経歴を持つ2人の女性、アビゲイル・スパンバーガー氏とマイキー・シェリル氏は、それぞれバージニア州とニュージャージー州の知事選で勝利しただけでなく、予想外の大差で勝利した。暫定結果によると、差は13ポイント以上だった。両氏は家計負担の軽減を争点にして生活費引き下げを公約する一方、対立候補をトランプ氏と「MAGA(米国を再び偉大に)」運動に結び付けた。この二つの勝利と、民主社会主義者ゾーラン・マムダニ氏が当選したニューヨーク市長選は、有権者が新世代の指導者を求めていることを示しており、民主党に新たな活力を吹き込むかもしれない。だが課題はある。党の方向性を巡る中道派と進歩派の溝は埋まっておらず、マムダニ氏はトランプ氏にとって新たな攻撃材料となる可能性がある。