「即レス」は単なるスピード勝負ではなく、相手を尊重する“気配りの習慣”だ。小さな返信ひとつに、人間関係を円滑にする力が宿っている。最新刊『人生は期待ゼロがうまくいく』も話題となっているキム・ダスル氏のベストセラー、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)では、相手を尊重するための小さな習慣が綴られている。本記事では、ライターの有山千春氏に、「円滑な人間関係を築く習慣」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

周りから「この人は仕事ができない」と思われている人がやっていること・ワースト1Photo: Adobe Stock

「既読スルー」で
他者を軽視している

 小学生の子どもを持つ身として、PTAの役員になった。メンバーはみな自ら手を上げた人たちで構成されていた。

 PTA役員のグループLINEのメンバーは、ざっくりと、
 1.積極的に発信する人
 2.自分から発信はしないけどすぐに返信する人
 3.リアクションボタンのみでお茶を濁す人
 4.自分の発信以外は参加しない人
 の4種類に分かれることが判明した。

 筆者含む8割は「2.自分から発信はしないけどすぐに返信をする人」に該当するが、こうなると浮き彫りになってくるのは「4.自分の発信以外は参加しない人」の存在感だった。

 誰も返事を強いていないし、そもそも活動自体が任意のPTAではあるが、みな大人として、良好な関係を築きたい・平和にことを進めたいという気持ちが「1に対して、気づいたらすぐにレスする」という行動にひしひしと表れていた。

 いつものように、ノーリアクションを貫く人をハラハラと見守っていたときのことである。積極的に発信する人が労力のある仕事を請け負い、みなが心から感謝をするなかいつものように一部の人はノーリアクションを貫いていた。

 仕事や育児が忙しいのかもしれないが、それはPTAに参加している人全員が子を持つ親だ。会社ではスマホを触れないのかもしれないが、24時間以内には返せるはずだ。それに、やりとりは週2回ほど。

 はたから見れば上辺のやりとりに見えるかもしれないが、上辺だからこそ不用意にぶつかる必要はないし、大変なことをやってくれたら感謝したくなるのが人情ってもんじゃないか――。

即レスする人を
「暇人」だと思っている

 一方、ノーリアクションを貫いていた人は別のグループLINEにおいては積極的に発信していた。その最中の一言が、どうもひっかかってしまったのだ。

<即レスして暇人みたいでごめんね! この件に関しては~~>

 筆者たちは暇人だと思われていたのだろうか。「即レス=暇人」という偏見から、返事をしないスタンスを貫いたのだろうか。

 救いは、ノーリアクションを貫いている人を糾弾するためのグループLINEが生まれなかったことだ。みんな、大人なのである。

「実録マンガ!ママ友トラブル!!」のようなことは、そうそう起こらないのだなあとほっとしたのだった。

「即レス」は
相手への敬意

 即レスといえば、よく耳にするのが「仕事がデキる人は即レスする」というフレーズだ。

「最高の一日が一生続く106の習慣」が掲載されたキム・ダスル著のベストセラー『人生は「気分」が10割』にも、こんなトピックがある。

「『即レス』を習慣にする」

 同書は、人付き合いにおける「いい人」の例として、以下のような例をあげている。

 例えば、SNSを見るときには真っ先に相手のメッセージに返信する。動画でも見て時間を潰そうかなというヒマな時間にも、まずは相手にメッセージを送ることからやり、趣味やゲームを始める前にも相手のことを考えられる人。
 しばらく連絡ができそうになければ自分から先にひと言断りを入れておく。急用で連絡できなかったときは真っ先に詫びを入れる。一緒に出掛けるときの行き先や食事のメニューは相手に相談する、などなど……。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より

 これらはすべて、他者に対する「ちょっとした気配り」や「配慮」であり、尊重していることの表れだ。

 仕事以前に人として「いい人」だからこそ、「即レスできる人は仕事がデキる」とされている一因があるのだろう。

 そして同書はこう続ける。

「それができない人との関係を長続きさせるのは無理」

 PTAはかりそめの集団だし、ノーリアクションを貫く人はそもそも、関係を長続きさせるつもりがなかったのかもしれない。

 でも、だからといって同じことをしようとは、筆者には思えないのだ。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

有山千春(ありやま・ちはる)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。