多くの米国民にとって、政府は文字通り機能していない。それは現在、米史上最長となっている連邦政府機関の閉鎖で明らかだ Photo: Allison Robbert for WSJ
米国の各種選挙は一貫したメッセージを送っている。それは、政府が問題を解決できないことに国民が不満を募らせている、というものだ。
その最新の例は4日、ドナルド・トランプ大統領への非難という形で示された。有権者らは、アフォーダビリティー(手の届く物価の実現)などの主要課題にもっとうまく対処できると期待して、民主党を支持した。トランプ氏が大統領選で激戦州7州を全て制し、共和党の優位を示してから、まだ1年しかたっていないというのにだ。
両党の運命がこのように急速に揺れ動いたのは、僅差で分断された国民が、自分たちの生活を向上させるための動きが鈍いと見なした公職者をすぐにお払い箱にしようとした結果だ。多くの米国民にとって、政府は文字通り機能していない。それは現在、米史上最長となっている連邦政府機関の閉鎖で明らかだ。
プリンストン大学の大統領史研究者ジュリアン・ゼリザー氏は「激しい政治的分断の時代に統治するのは難しい」とした上で、「有権者が怠慢な公職者を追い出す動きを、際限なく生み出している」と述べた。
リンドン・B・ジョンソン元大統領の政権など、かつての政権は、議会の多数党があまり頻繁に交代しなかった時代には、大規模で、多額の費用を要することも多かった法案を議会で通すことができた。
しかし、ベトナム戦争がエスカレートするにつれて1960年代末に政府への信頼が損なわれ、70年代にウォーターゲート事件や経済情勢悪化の中で信頼が一段と低下すると、そうした法案の可決は難しくなった。超党派の調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、連邦政府がほぼ常に、または大半の場合に正しい行動を取ると信頼している国民の割合は、今や5人のうち1人程度にとどまる。







