「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
「“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
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インド人はどちらを選ぶ?
美人な奥さんか、気立ての良い奥さんか、どちらがいいのか。これは、地球上の男が何千年に渡って議論してきたテーマである。
散々議論しつくされた結果、『美人は三日で飽きる』とか、『ブスは三日で慣れる』とか色々な説が言われているが、飽くなき論争が続いている。
インドは依然として性に関しては非常に保守的な社会だ。現代においても9割程がお見合い結婚=Arranged Marriageである。結婚適齢期になると、親や親類がどこからともなく結婚相手の候補を探してくる。妙にかしこまった写真が学歴などのプロフィール情報とともに双方に送られ、それを見ながら品定めをする。その時には既に占星術で新郎と新婦の相性がいいのか家族が調べていたりもする。
顔でも性格でもない…インド人の「決め手」
インド民にとって、結婚相手を選ぶために一番重要なことは、顔でも、性格でもなく、“相手の家柄”だ。高ければいいというわけではなく、自分の一族になるべく近い民族・社会階層で結婚する。彼らは、「生活のクオリティを決めるのは、個人ではなく、親族全員の総力戦である」という意識が極めて強い。
日本ではこの意識が希薄になってしまっている。家族という存在を、「使えるか」・「使えないか」の観点から語るのはどこか下世話な話題として避けられているが、日本の現実も同じである。
「勤労サラリーマンの美徳」は幻想
せっせと何十年も働いて貯めたお金でマンションを買う勤労の美徳などというものは、結婚記念に義理の父からプレゼントされる元麻布の2億円のマンションに比べると、なんともバカバカしい話に見える。
勤労サラリーマンが美徳と思い込んでいたものは、親族の力で優位に立てなかった者が大切な家族との時間を削って得たものに過ぎず、結婚相手の選択によってはもっと楽で幸せな人生があったかもしれない。
本書の目的は、こんなインド民の暮らしと思想を見つめて、日本人が幸せになるためのヒントを手にすることにある。「自立」が過剰に重んじられる日本で、読者の皆様はムダに大変な思いをしていないだろうか。
特に日本人の多くは、「自分のため」を追求することが異常に苦手だ。そんな現代日本人にとって、インド民の驚くべき思考習慣を知ることは一種のショック療法的に作用するだろう。
(本記事は『インド人は悩まない』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です)









