正解のないものについて選択・決断するとき、それが重要であるほど迷い、悩むものだ。一つひとつは小さなものであっても、日々の選択の積み重ねが未来をつくる。「失敗した」と思いたくないし、ベストな選択をしたいのは当然のことだ。いつも自分にとって最高の選択をしたい人におすすめなのが『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著/藤田麗子訳)だ。「心が救われる」「何度も読み返したくなる」と話題のベストセラーだ。本記事では、「最高の選択」をする方法について引用しつつ紹介する。(構成/小川晶子)
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私たちは日々選択をしている
進学、就職、結婚など人生にはさまざまな岐路がある。
それほど重大な事案でなくても、私たちは日々何かしらの選択をし、決断している。
Aの仕事からやるか、Bの仕事からやるか。
Cさんからの依頼を受けるか否か。
話題のDを買うか否か。
今度の休日にEに行くか、Fに行くか。
そんな小さな決断も、「間違えた」と思うとけっこうダメージが大きいものだ。
筆者も「あの仕事、断らなければよかった……!」とか「どうしてこれを買ってしまったんだろう!」とか日々ダメージを受けている。
もちろん、誰にも文句は言えない。すべて自分の選択のせいである。
一方、良い選択ができれば気分が良く、あらゆることがうまくいく気さえしてくる。
それに、よく考えてみると現在の自分は過去の選択の結果だ。
「日々の選択の積み重ね」で未来も作られる。
常に良い選択をできるようにするには、どうすれば良いのだろうか。
「最高の選択」をするためにできること
ベストセラー『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』には、人間関係、仕事、恋愛など人生のさまざまな課題に対して心が軽くなるようなメッセージとヒントが詰まっている。
「『最高の選択』をする方法」もその一つだ。
著者は、ある青年から聞いた話として3つの方法を挙げている。
1 コンディションがいいときに選択する
疲れているとき、睡眠不足のときは判断を誤りやすい。
お腹がすいているときもそうだ。
大事な選択をするなら心と身体の状態が良いときにしたいし、常に良い選択をするには常にコンディションを整えておく必要がある。
至極当然のことかもしれないが、十分な睡眠を心がけ、毎日きちんと食事を取り、ストレスになる相手との接触をなるべく避けて、もっともリラックスできる状態をつくるための自己管理に努めなければならない。
――『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』より(p.40-41)
最近私が選択を間違うことが多かったのは、疲れていてコンディションが悪かったからかもしれないと思った。
2 散歩をしながら考える
狭い部屋の中で考えていると、視野が狭くなり、思考が偏りがちだからだ。
とくに「ああでもない、こうでもない」と悩んだときは散歩に出かけることを本書ではすすめている。
たしかに、「気づかなかった選択肢」がひらめくこともあるかもしれない。
3 いくら考えても結論を出せないときは、たくさんの人に意見を聞く
主観的に問題に入り込みすぎているときなどは、とてもいい方法だろう。
ポイントは「たくさんの人」というところ。
「多くの人はどう思うのか」ということを知って参考にするわけである。
その状況で自分に合ったものを探し出すことが最高の選択となる。
――『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』より(p.43)
最終的に選択するのは自分だ。
さらに著者は「過去の誤った選択に未練を抱く必要はない」と言ってくれている。
「失敗したなぁ」とクヨクヨしていたら、今のコンディションが悪くなってしまい、良い選択ができなくなる。
失敗したと思っても、気持ちを切り替えて「次の選択」をしたほうがいいのだ。
もし今選択に迷っているものがあるなら、まずはコンディションを整えよう。
本書のあたたかいメッセージにも、コンディションを整える効果がある気がする。
私も、これまでの失敗に執着せず、これからベストな選択をしていきたいと思う。
(本稿は『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』に関する書き下ろし特別投稿です)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。









