ドナルド・トランプ米大統領は8年前、今では遠い過去となった自身の政権1期目に、大国間競争という新たな世界を認識した国家安全保障戦略(NSS)を打ち出した。新たに出現した世界的脅威を明確に示す、歓迎すべき取り組みだった。トランプ氏が5日に発表したNSSは、この競争から事実上撤退したような内容だ。これは中国とロシアを喜ばせるが、米国の同盟国を不安にさせるだろう。この33ページにわたる文書は、現政権が国家安全保障に関する考えを説明する最も包括的な試みだ。トランプ氏は突然ソーシャルメディアへの断続的な投稿で説明することが多いため、今回の文書は今後3年間がどうなるのかについて、政権の考えをこれまでで最もよく示している。そして今後7年間がどうなるのかについても示しているかもしれない。この文書にはJD・バンス副大統領の影響が見て取れるからだ。
【社説】矛盾だらけのトランプ・ドクトリン
米国の新安保戦略は中ロに対して著しく弱腰
特集
あなたにおすすめ







