「自力整体」とは、整体や鍼灸の技法を自分自身におこなう人気のセルフケア。現在、全国で約1万5000人が実践し、「ぐっすり眠れた」「慢性痛が消えた」「健康的にやせられた」など、喜びの声が続々と届いています。
このたび発売された新刊『すっきり自力整体』では、痛みや不調を根本から整えるためのメソッドを紹介。
本稿では、その新刊から、骨格のバランスを整えるワークを抜粋してお届けします。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子

長年の子育てで猫背が悪化したHさん
忙しい師走は、体がつらくても整体に通う時間がとれないという方は多いもの。そんな時こそ、自分でケアできる“自力整体”が力を発揮します。
自力整体には、背骨をボキボキ鳴らしたり、強く押したりするような激しい動きはありません。経絡(気血の通り道)を押す・伸ばす・ゆするなど、やさしい動きが中心です。
それでも続けるうちに、「体のゆがみが整ってきた」「痛みやコリがやわらいだ」と実感される方が多くいらっしゃいます。
その理由は、「経絡の流れ」と「筋肉・骨格」の密接な関係にあります。
経絡は“筋膜のつながり”とも似ており、医療やリハビリの現場でも注目されつつあります。
たとえば、脚の側面を通る経絡が滞ると、脚の筋肉が張り、骨盤がねじれて腰痛や股関節の不調が生じることがあります。
逆に流れが整うと筋肉の緊張がゆるみ、背骨のこわばりが取れて骨格バランスが改善。背すじが伸び、見た目の印象も驚くほど若返ります。
書籍制作にともなうモニター企画に参加してくださったHさん(49歳)も、その代表例です。子どもの頃から姿勢の悪さがコンプレックスで、5人の子育てで猫背がさらに悪化。寝不足や過労から過食にも悩まされていましたが、自力整体の継続で体がゆるみ、少しずつバランスを取り戻していきました。
Hさんの成功例~深く眠れるようになり、気づけば痛み・不調を克服
保母として働きながらお子さんを育てるHさんは、忙しさのあまり整体に行く時間がなく、長年の子育て習慣で重心の偏りや骨格のゆがみが顕著でした。
慢性的な寝不足に加え、腰痛・肩コリ・尾てい骨痛と不調が続出。仰向けで眠れないほどつらい毎日で、まさに体が悲鳴を上げている状態でした。
3ヵ月のモニター期間で取り組んだのは、おもに次の2つの夜習慣。
1)寝る前20分の自力整体(+オンラインクラス受講)
2)整食法の実践(夕食は寝る3時間前まで済ませる)
整食法とは、内臓を休めるシンプルな食養生です。
これらを続けた結果、深く眠れるようになり、代謝と排泄力がアップ。腰痛・肩コリ・めまいも改善していきました。さらに、映画館で長時間座っても尾てい骨が痛まなくなり、ついには仰向けで朝までぐっすり眠れるまでに回復しました。
見た目がまるで別人に! 劇的に若返る
夜の過食も減り、冷えや水毒も改善。朝から体が軽く、動きやすい体に生まれ変わりました。肌もしっとり整い、コンディションが総合的にアップ。
そして何より驚くべきは、その変化。
・体重:-5.6kg
・ウエスト:-12cm
・猫背改善
丸かった背中がスッと伸び、まるで別人のように若々しい姿に。
さらに「自分で体調を整えられるようになった」という実感が、大きな自信と前向きさにつながったそうです。

見た目も変わる! 「骨盤調整」のワーク
そこで今回は、Hさんも実践された、新刊『すっきり自力整体』でも紹介している、骨格のゆがみや腰痛・肩コリの改善に役立つワークを紹介します。
実践方法は、次の画像を参考におこなってみてください(※画像は『すっきり自力整体』より)。

◎「骨盤調整」のワーク
【手順1】
◆あおむけになり、長めのタオルを左足にかけて脚を上げる(タオルは使わなくなったコットンストールでもOK)。脚はできれば90度の角度に
【手順2】
◆左脚をゆっくり外へ開き、右ひざをゆらす。右手はバンザイしてもOK。脚を開く角度は理想は90度。左のお尻にぎゅっと力を入れる
*体が硬い人は、タオルを長めに持ち、左ひざを曲げてもOK
【手順3】
◆反対側も同様に。硬い側は長めにおこなうのがおすすめです
時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」で、全身をしっかり整えるのもおすすめです。
※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。






