「自力整体」とは、整体や鍼灸の技法を自分自身にほどこす人気のセルフケアメソッド。全国で約1万5000人が実践し、「ぐっすり眠れた」「健康的にやせた」「慢性痛から解放された」などの声が続々と寄せられています。
このたび発売された新刊『すっきり自力整体』では、老廃物を流し、痛みや不調、そして余分な脂肪まで根本から整える方法を紹介。著者の矢上真理恵さんは「多くの不調は、自力整体で“めぐり”を整えることで改善できる」と話します。自身も自力整体で体調を立て直し、40代目前で自然妊娠・安産を経験したひとりです。
本稿では、新刊に収録されている“めぐりを整えるワーク”から、効果の高いものを抜粋して紹介します。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子

自力整体は“熟睡ダイエット”
自力整体は「熟睡ダイエット」と呼ばれるほど、睡眠の質を高めることに優れています。深く眠れることで夜間の代謝が上がり、翌朝の排泄もスムーズに。これが自然な減量につながる大きなポイントです。
書籍制作と並行して行った「自力整体ダイエット」モニター企画でも、開始から1ヵ月も経たないうちに、参加者の体に明らかな変化が続出しました。
十分に熟睡するだけで、余分な脂肪が自然と落ち、ボディラインが引き締まっていくのです。
今回は、そのなかでも10kgの減量に成功したIさん(58歳)のケースをご紹介します。
眠りの質と便通が改善し、10kgの減量に成功したIさん
Iさんは1年ほど前から右ひざの痛みでほとんど歩けず、体重が増え続けていました。疲れがたまると過食に走り、油ものや甘いものを早食いしてしまう悪循環。便通も悪化し、体は限界状態に。
そんな時、このモニター企画に参加したことが転機となりました。
プログラムはおもに2つ
1)夜20分の自力整体(骨盤調整・経絡刺激など)
2)整食法の実践(内臓を休ませる食事法)
整食法とは、夕食を寝る3時間前までに済ませ、朝はスープやおかゆなど軽めにするシンプルな食養生。内臓がしっかり休まり、全身のめぐりが整うことで、自力整体の効果も高まります。
続けるうちに、Iさんは夜中に一度も目が覚めず朝まで熟睡できるように。便通も改善し、ひざの痛みがやわらいで体が動かしやすくなりました。整食法のおかげで、少食でも満足できるようになったのも大きな変化です。
さらにご主人も一緒に取り組んだところ、血液検査の異常値がすべて正常に戻るといううれしい結果まで。
体内年齢が15歳若返り、スッキリ軽い体に
3ヵ月後、Iさんの体には劇的な変化が訪れました。
・体重 -10kg
・ウエスト -13cm
・体内年齢 -15歳
体も心も驚くほど軽くなり、「モニター期間が終わっても、この体を守るために一生続けます!」と笑顔で話してくださいました

めぐりを促す「骨盤のゆがみ調整」ワーク
ここからは、Iさんも実践した新刊『すっきり自力整体』収録のワークをご紹介します。
今回取り上げるのは、骨盤のゆがみを整えるワーク。腸腰筋をゆるめ、血流を一気に改善し、めぐりを高めてくれるのが特徴。睡眠の質アップや足腰の痛みの緩和にも役立つ、自力整体の要となるメソッドです。


◎「骨盤のゆがみ調整」のワーク
【手順1】
◆四つんばいの状態から右脚を左側に折り曲げ、上体を起こす。鼠径部(そけいぶ)を伸ばしながら、腰を左右にゆらす。しばらくおこなう
*腸腰筋(背骨と大腿骨をつなぐ筋肉)がゆるむイメージで
【手順2】
◆左手で左の脇腹をおさえ、上半身を右方向へぐーっとねじる。深呼吸してからゆっくり正面に戻る
【手順3】
◆両手をすこし前につき、両手を右へ右へと歩かせ移動し、左腕をさらに伸ばす
【手順4】
◆その状態のまま、おでこを床に近づけ、ウエストを右方向へねじる
*右手で床を押す
*左脇をしっかり伸ばす
*ウエストをきゅっと締めるイメージで
【手順5】
◆反対側も同様に。硬い側は長めにおこなうのがおすすめです
時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」で、全身をしっかり整えるのもおすすめです。
※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。






