もしあなたが突然、倒れたら……。銀行口座も入っている保険もわからずご家族が右往左往される可能性はありませんか?たとえ50代でも、「絶対に大丈夫」という保証はありません。万が一の時に残された家族に迷惑をかけないために、まとまった休みが取れる年末年始に、ぜひ最低限の「相続対策」をしておきましょう。『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)の著者で税理士の板倉京さんが、本書から抜粋・編集し、気を付けるべきポイントを紹介していきます。
Photo: Adobe Stock
相続対策、1回やればあとは1年1回見直すだけ
拙著「たった5日で相続対策」(ダイヤモンド社刊)では、「たった5日間」で親ができる最低限の相続対策のやり方を書いています。用意するのはノート1冊だけ。そこから、財産を書き出し、相続性がかかるかを計算し、かかるならどんな節税対策があるか、などをふまえて遺言書を書くまでの流れを詳細に説明しています。
たった5日間でできるのですから、ぜひとも、年末年始など時間がとりやすいときに、本書を参考に取り組んでほしいものですが、これで、対策ができたとしても、あくまで現時点でのものだということは忘れないでください。
実際の相続はいつになるかわかりませんから、定期的に見直すことも大切です。
財産状況、家族関係、税制や法律は変化するものだからです。
財産は、使えば減って、稼げば増えます。財産そのものには変動がなかったとしても、不動産や株などの価格は変動します。財産の額が変われば、かかる相続税は変わるし、遺産分けのバランスが崩れる可能性も出てくるのです。
また、子どもが結婚・離婚する、お孫さんが生まれるなど家族の状況が変化すれば、遺産分けについての考え方が変わることもあります。
税制や法律だって変わることがあります。
見直しのときにやるべきことは?
見直しは、できれば1年に1度、同じ時期に行うことをおすすめします。お盆や年末年始など、家族が集まるタイミングに合わせて見直すのもよいでしょう。
毎年なんて面倒! と思われるかもしれませんが、1度作ってしまえば、さほどの手間ではありません。
見直しのときにやるべきことは、今回作った財産リストの、残高や評価額を更新すること。新しい財産やなくなった財産があれば、追加・削除し、相続税の計算をします。これだけなら、1日でもできるはず。
財産額や家族の状況、自分自身の気持ちに大きな変化がなければ、「遺産分け」や「遺言書」については見直さなくていいでしょう。
ちなみに、今回、本書のサンプルとして登場した山田太郎さんは、もし子どものどちらかが、同居し介護をしてくれるようなことがあれば、その場合は遺言書を書き換えようと話しているそうです。
*本記事は、板倉京著『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成しています。




