もしあなたが突然、倒れたら…。銀行口座も入っている保険もわからずご家族が右往左往される可能性はありませんか? たとえ50代でも、「絶対に大丈夫」という保証はありません。万が一の時に残された家族に迷惑をかけないために、まとまった休みが取れる年末年始に、ぜひ最低限の「相続対策」をしておきましょう。『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)の著者で税理士の板倉京さんが、本書から抜粋・編集し、気を付けるべきポイントを紹介していきます。
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相続対策を終えたら必ずやってほしいこと
本書では、「たった5日間」で親ができる最低限の相続対策のやり方を書いています。用意するのはノート1冊だけ。そこから、財産を書き出し、相続性がかかるかを計算し、かかるならどんな節税対策があるか、などをふまえて遺言書を書くまでの流れを詳細に説明しています。
実は、これらの対策が終わった後に、必ずやってほしい重要なことがあります。
この結果を家族(配偶者や子どもたち)に説明し、相続について話し合っていただくことです。
あなたが家族のために相続対策を行い、相続税について確認したこと、遺産の分け方をどのような思いで決めて遺言書を作ったのかなど……。特に遺産の分け方については、家族に納得してもらうようにしてください。家族を思う気持ちが伝われば、今回の相続対策はより高い効果を発揮するはずです。
話し合いは「法定相続人」だけで行う
この時に、大事なのは、話し合いを法定相続人だけで行うことです。
法定相続人の配偶者や子どもが口を挟んだりすると、無用なトラブルに発展する可能性があるからです。
法定相続人は、全員参加してもらいましょう。参加しない人がいると、のちのち不平が出てくる可能性があります。
介護状態になったときどうするかについても話し合う
相続の話とともに、この先の介護についても話し合っておくといいでしょう。親が介護状態になったときに、どうすればいいかを心配している子は多いものです。介護費用はどこから出すのか。介護に使う預金の情報(暗証番号や代理人制度の活用)についての情報共有は必須です。
また、介護状態になったあと、自宅で過ごしたいのか、施設に入りたいのか。その選択によって、家のリフォーム費や、施設の費用が必要になります。
また、誰が中心になって介護をするのか、が遺産分けの配分に影響することもあります。 介護は相続同様、子どもから切り出しにくい話題です。是非、この機会に相続と介護について、セットで家族で話し合ってみてください。
*本記事は、板倉京著『子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための たった5日で相続対策』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成しています。




