AIの次の挑戦:CEOから仕事を奪うPhoto Illustration: Emil Lendof/WSJ, iStock

 巨大テック企業からの最近のメッセージは、人工知能(AI)の台頭によって最高経営責任者(CEO)の仕事さえも脅かされているというものだ。

 超知的AIがオフィスの仕事を吸い上げ、ロボットが工場労働者に取って代わるという話には慣れている。しかし今や、幹部職も危機に瀕(ひん)しているようだ。

 グーグルの親会社アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは最近、「CEOの仕事は(中略)AIにとってはごく簡単な作業の一つかもしれない」と記者に語った。

 時として、巨大テック企業が互いに張り合って、AIが世界をどう作り変えるかについて数え切れないほどの予測をしているだけのように感じられることもある。そして次第に分かってきたのは、「AIワーカー」はクール(かっこいい)ではないということだ。何がクールか分かるだろうか。それは「AI CEO」だ。

 ピチャイ氏が前述の発言を行う数週間前、オープンAIのサム・アルトマンCEOは会議で、「オープンAIが『AI CEO』によって運営される最初の大企業でなければ、私としては恥ずべきことだ」と語っていた。

 アルトマン氏は、AIが企業そのものを運営するとまではいかなくても、企業内の部門の基本的な運営を行う準備が間もなく整う可能性について語っていた。真の課題は人間の労働力かもしれないと同氏は結論付けた。