1位は17年連続で北海道
「人気が高いほど行きづらくなる」が鮮明に

 2025年の「都道府県観光意欲度ランキング」1位は、今年も北海道(68.7点)だった。17年連続の首位となったものの、得点は前年より2.2ポイント低下している。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「札幌市や函館市ではインバウンドの急増により、宿泊費が上昇し、SNSでも『宿が取れない』という投稿が増えている。人気が高いからこそ『行きたいのに行きづらい』状態となり、ポイントが伸び悩んだ可能性がある」と分析する。

 2位は沖縄県(55.7点)、3位は京都府(54.8点)。いずれも上位常連県だが、混雑や物価高騰といった要因から前年よりポイントを落とした。人気観光地ほど「避けられやすくなる」傾向が一段と強まっているのではないだろうか。

大きく順位を伸ばした都道府県は?
新しい話題性が順位を押し上げた

 今年のランキングで勢いを見せたのが、長崎県、熊本県、山梨県の3県だ。

 長崎県は前年10位から6位(47.6点)に上昇。コンサートやイベント会場として注目される「長崎スタジアムシティ」の開業や、西九州新幹線の開通効果が続いていることが、県全体への関心を高めたとみられる。

 熊本県は前年22位から14位(44.3点)へとランクアップした。熊本城の復旧が進んだことで再び足を運ぶ人が増えたほか、TSMC関連企業の集積で国内外から多くの人が訪れている。また、空港路線拡充や空港の拡張・リニューアルオープンも相まって注目度を押し上げた。

 そして今年、特に象徴的な動きを見せたのが山梨県。前年の32位から19位(40.5点)へと順位を上げた。富士山周辺はもともと根強い人気があるが、今年はドラマ『ホットスポット』のロケ地となった富士河口湖町がSNSで話題になり、「ドラマの世界を体験したい」と訪れる人が増えた。

 湖畔のカフェやビュースポットの画像が拡散され、富士山だけでなく“湖のある風景”を楽しむ場所としてのイメージが広がっている。