「お返事まだカナ？おじさん構文！」（feat.雨衣）。この動画のダンスをマネしてSNSに投稿する人が続出した（公式YouTubeよりキャプチャ）
「風呂キャンセル界隈」「伊能忠敬界隈」「ヒートテック界隈」「マコモ湯構文」……何のことだか分かるものが、このうちいくつありますか？若者たちの間で急速に広がる、「〇〇界隈」「〇〇構文」といわれる新しい言葉の使い方。聞いたこともない、という方も多いかもしれませんが、実はTikTokを中心としたネットミームとして大ブームを巻き起こしているのです。2025年に若者の間でバズった「構文」と「界隈」について紹介します。（ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子）
若者言葉の「界隈」とはどういう意味？
「〇〇界隈（かいわい）」と聞いて、皆さんはどんな言葉をイメージしますか？「銀座界隈」など、地域や場所を当てはめる人が多いかと思います。しかし、若者は「界隈」を違う意味で使っているのです。
例えば、「風呂キャンセル界隈」はお風呂に入ることをキャンセルした人達を指します。元々お風呂があまり好きではない、もしくは今日は頑張って疲れているので断念したといった人達が入浴しないことをポジティブに表すときに使います。「キャンセル」という言葉が自分で選択を行ったという前向きな印象になり、「界隈」を付けることで自分だけではないという連帯感や言い訳にもなります。他にも「外出キャンセル界隈」や「食事キャンセル界隈」といった使い方があります。
お笑いコンビ「チョコレートプラネット」は「FCKY－風呂キャンセル界隈－」を作成（以下の画像はすべて著者がキャプチャしたもの）
他に「伊能忠敬界隈」を名乗る人たちもいます。これは長距離を歩く人のことで、江戸時代に日本全国を歩いて測量を行い、地図を完成させた伊能忠敬にちなんでいます。実際に歩く距離はお散歩程度のこともありますが、「伊能忠敬界隈」を名乗ることでウォーキング仲間との連帯感を持てます。
似たようなケースでは「自然界隈」があります。山や海など、自然のなかで過ごすことが好きな人たちが用いる言葉です。このように、若者にとっての「界隈」とは、集団や仲間、趣味志向を指すときに使う言葉です。また、自ら名乗ることが多い点も特徴的です。
