元フィデリティ投信の投資調査部長を務めた著者であるポール・サイさんが「S&P500」の3倍超という驚異的なリターンを生んだ米国株の投資術を初公開! ポール・サイさんが株価低迷期にエヌビディアを買い、成長を見抜けたのは、企業に潜む“成長のストーリー”を見抜いたから。初の著書『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』では、そんな、成長ストーリーの読み解き方から、銘柄選びの極意、買いのタイミング、暴落時の対処法、リスク管理までを体系的に解説。さらに、厳選した“10倍株”候補の8銘柄も特別公開!新NISAで投資を始めた人、日本株から米国株へとステップアップしたい人に最適な、“米国株で勝つための決定版”だ。今回は、その『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』から、AGI(汎用人工知能)が社会を大きく変える理由について抜粋し解説する。
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SFが現実になる!
仕事の常識が変わる
AIの進化を語るうえで、今後避けて通れないキーワードが「AGI(汎用人工知能)」です。AGIとは、人間と同等、あるいはそれ以上の知的能力を持ち、特定分野に限られず、多様な課題に対応できるAIを指します。AGIという言葉は、これまでSFの世界の話として語られることが多くありました。しかし近年では、有力なAI開発者の多くが、AGIは遠い未来の空想ではなく、現実的な時間軸で実現すると考えるようになっています。
AGIが実現し、社会に普及した場合、経済や社会に与える影響は計り知れません。特に大きな変化が起こるのが「知的労働」の分野です。
稼ぐのは人か、企業か?
AGIが利益配分を変える
これまで、専門知識や高度なスキルは希少性があり、高い報酬が支払われてきました。しかし、AGIによってそれらの知的作業が容易に再現可能になれば、知的労働は急速にコモディティ化していくでしょう。
すでにアメリカのテクノロジー企業では、AI導入と同時に人員削減が進んでいます。今後は、より多くの職種が消滅するか、もしくは賃金水準が低下する可能性があります。その結果、中間層の所得は圧迫され、経済格差がさらに拡大する恐れがあります。
一方で、AGIを導入する企業側は、生産性向上とコスト削減の恩恵を受けることができます。AGIによる効率化の果実は、企業利益として蓄積され、その企業の株式を保有する資本家に還元されることになります。
「働いて稼ぐ」から「資本で備える」へ
AGIが人生設計を変える
ここで重要なのは、現代では多くの人が株式投資を通じて「小さな資本家」になることができる点です。労働だけに依存するのではなく、資本を持つかどうかが、AGI時代の人生設計において決定的な意味を持つようになります。
資本を持たず、労働収入のみに依存している人は、AGI普及によって仕事が減り、収入が不安定になるリスクを抱えることになります。厳しい言い方をすれば、「お金を持たない人は、さらにお金を持ちにくくなる」社会が訪れる可能性があるのです。
こうした状況を踏まえると、AI関連企業への投資は、単なるリターン追求ではなく、将来へのリスクヘッジとしての意味合いを持ちます。AGIが普及したとき、最も利益を享受するのはAI関連企業である可能性が高いからです。
また、AGIの影響は教育分野にも及びます。高度な個別指導が可能なAGIが普及すれば、教育の質は飛躍的に向上し、教育格差が縮小する可能性があります。一方で、「何を学ぶべきか」という問いは、これまで以上に難しくなります。
知識やスキルそのものが容易にAIで代替可能になる時代において、人間に求められるのは、価値判断力や創造性、倫理観といった能力になるでしょう。従来型の教育やキャリア設計は、大きな見直しを迫られることになります。
AGIの普及は、単なる技術革新ではありません。働き方、資本の意味、人生設計、そして社会の仕組みそのものを問い直す出来事です。私たちはいま、その大きな転換点の入口に立っているのだと思います。
※本稿は『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









