1年で約70%も上昇!金価格上昇で金関連の投資信託の残高は1年で3倍、2.5兆円に急拡大【投資信託の最前線】

2025年の金融市場は、米トランプ政権の政策を巡る不透明感から波乱の幕開けとなりましたが、その中で圧倒的な輝きを放ったのが金(ゴールド)市場です。年初来上昇率は68%を超え、国内の金関連の投資信託の残高はわずか1年で2.5兆円へと急拡大しました。ロボアドやバランス型投信を通じた投資も広がりを見せる中、現在の熱狂は単なるリスクヘッジの枠を超え、短期的な値上がり益を追求する動きも見られます。空前のブームに沸く今だからこそ、資産運用における金の真の役割を再考します。

2025年は株式を圧倒して「ゴールド」が絶好調の1年に
年初来68%超の記録的高騰で金投資への注目が最高潮に

 2025年の金融市場は、年初から4月上旬にかけて米トランプ政権の関税政策をめぐる懸念などから株式相場が大きく下落する場面がありました。しかし、その後は年末に向けて買い戻されるなど、総じてリスク資産が堅調に推移した1年となりました。

 そんな中、好調だった株式相場を大きく上回る成績を見せたのが、金(ゴールド)です。

 金先物価格(CMX)の2025年12月22日時点の年初来上昇率は68.3%となっており、過去の年間騰落率と比較しても突出した大きさとなっています。こうした動きを受けて、日本の投資信託市場でも金価格に連動する投資信託の新規設定が増えるなど、金投資への注目が高まっています。

金関連投資信託の残高が1年で3倍強、2.5兆円へ急膨張 
2025年1~11月の資金流入額は1兆円目前

 投信評価機関モーニングスターのデータによれば、金関連の投資信託(単一のコモディティを投資対象とし、投資信託名に「金」または「ゴールド」が入っているものを抽出)は34本あります。そして、その残高は11月末時点で2.5兆円となっています。2024年末時点の残高は8300億円程度だったので1年で3倍強に増加した計算となります。

 下のグラフで資金フローを見てみましょう。

 2024年に入って金関連の投資信託への資金流入が目立ち始め、2025年にその流入が急加速していること確認できます。2025年は10月に単月で2000億円の資金流入となり、1~11月で計9600億円と1兆円に迫っています

バランス型やロボアド運用でも存在感 
成績が好調だからこそ投資目的の確認を

 また、金関連の投資信託以外にも、金への投資配分を高位に保つアセットアロケーション型(バランス型)の投資信託への資金流入や新規設定の動きも続いています。もっとも、こうしたアセットアロケーション型は以前から存在していました。特にここ数年で残高を急拡大させているのがロボアドバイザー(ロボアド)です。投資一任口座やロボアドの戦略を活用した投資信託などで金を組み入れた結果、運用成績が堅調に推移し、人気が高まっているケースもあるようです。

 また、金に投資する目的について、「リスクオフ局面に備える」「株式下落時の運用成績を安定させる」とはっきり掲げているケースが目立ちます。しかし、足元では金の成績が非常に好調なため、金の値上がり益を期待した資金も多く集まっているように感じます。

 短期的な値上がりを追求した金投資については、投資目的の1つとして否定するものではありません。しかし、金関連の投資信託や金を組み入れた投資信託への投資を行う際には、その保有目的を改めて確認しておくことが重要でしょう。

藤原延介さん藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
◆投資信託の最前線
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
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<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧

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本記事は2025年12月27日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。