500ページを30分で読む!? 科学が証明した“スキミング”読書術とは?
「読むのが速い人の秘密」とは?
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』より内容を抜粋し、ご紹介します。
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500ページを30分で読む!?“スキミング”読書術とは?
本を読み続けるうちに、「効率よく読めるときほど、実は細部まで読んでいない」という事実に気がつきました。スキミングは、日本語では「飛ばし読み」とも呼ばれます。目的に関係する箇所を素早く見つけるために、重要度の低い部分は読み飛ばすのがポイントです。
科学的な根拠は?
学術的に見ると、スキミングは選択的注意(selective attention)と呼ばれる人間の認知特性を活用した読書法です。
人間の脳は、すべてを同じ密度で処理するのではなく、重要な情報に資源を集中的に配分するようにできています。
速聴トレーニングで、ウェルニッケ中枢を含む言語理解ネットワークの処理速度が上がれば、次は「何を優先して読むか」が大事になってきます。スキミングはまさに、その配分を読書に最適化する技法です。
スキミングのメリット① 要点を素早く把握できる
スキミングの利点は、長文や難解な内容でも要点や大まかな流れを素早く把握できることです。500ページ級の本でも、要点の把握に絞るのであれば、30分ほどで主要な主張・構成・キーワードを押さえる、といったことができます。
読書以外にも応用がききます。会議直前に分厚い資料を渡された場面で、スキミングのおかげで重要ポイントを先につかみ、発言の見通しを立てられたことが何度もあります。さらに、図書館やデータベースでの資料検索でも「これは違う/これは読む」という取捨選択が速くなります。
スキミングのメリット② 読書の配分がうまくなる
もう1つ重要なのは、読書の配分が上手くなることです。すべてを読むことに集中するより、重要な部分を見極めて読んだほうが、理解も読書速度も上がります。実際、スキミングを身につけると同じ時間でより多くのテキストに触れられるため、語彙や背景知識の蓄積が進み、読解の下地が広がります。
私の場合、ビジネスの意思決定が早くできた理由の1つはここにあり、競合が情報収集に数週間かける内容でも、数日で骨格を把握してから必要部分だけ深掘りする工程にできました。
そして、スキミングがもたらす最大の効果は「情報の取捨選択力」が磨かれることです。私は「本は最初から最後まで読むべき」という思い込みを脱してから極端に読むのが速くなりました。結果として、同じ1冊の本から得られる価値は変わらないまま、読書時間が半分以下になります。
さらに、空いた時間で別の本を読めば、知識の幅が2倍、3倍と広がっていきます。読書量が増えれば増えるほど、重要部分を見抜く精度も上がる。この好循環こそが、スキミングを身につけるべき最大の理由です。
(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・加筆を行ったものです)







