「速く読んでも、頭に残る」頭のいい人だけが知っている“たった1つのコツ”とは?
「読むのが速い人は、耳がすごかった!」
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』より内容を抜粋し、ご紹介します。
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「速く読んでも、頭に残る」読書法とは?
「読んだはずなのに内容が思い出せない」「読み終えても何も残っていない気がする」といった経験はありませんか?
これらの悩みを拾い集めるうちに、私は共通する原因に気づきました。それは、テキストの「構造」を捉えきれていない、ということです。
「速く読める」ことと「深く理解できる」ことは、実は表裏一体の関係にあります。その接点を作る決定的な要素が「読み方」なのです。本章では、構造を的確につかみ、速度と理解を同時に引き上げるための「読み方」を解き明かします。
人間は「知識を結びつけて理解する」
人は新しい情報を、すでに頭の中にある「完成図」と結びつけて理解します(認知心理学におけるスキーマ理論)。だからこそ、本を読む前に全体の見取り図を手に入れておくと、理解も記憶も一段と安定します。
組み立てブロックを思い浮かべてください。目の前に100個のブロックがあったとします。ブロックが入っていた箱の写真や設計図を先に見て「これは土台、これは塔、これは窓」と役割を仮決めしてから組み立てるのと、完成図なしで色と形だけを眺めながら手探りで作業するのとでは、負荷も定着もまるで違います。本の内容も同じです(下図参照)。
出典:耳を鍛えて4倍速読
断片の寄せ集めとして読むと「ふーん、そうなんだ」で終わりますが、完成図=全体構造を先に頭に置いておけば「なるほど、これはここに当たるのか」と意味づけが一気に進む。これが「構造を先に押さえる読み方」の狙いです。
具体的な例を挙げてみましょう。私が読書に苦手意識を持っていた頃、『イノベーションのジレンマ 増補改訂版』(クレイトン・M・クリステンセン著、玉田俊平太監修、伊豆原弓訳、翔泳社)を読みました。最初は「イノベーション」という言葉が各章でバラバラに出てくるように感じて、頭に入ってきませんでした。
ところが後日、友人がシンプルに「あの本は、大企業が新興企業に負ける理由を『顧客の声を聞きすぎる』という一点から解き明かしている」と教えてくれたんです。この一言で、頭の中でパズルのピースがぴったりとはまりました。もやもやしていた内容が、すっと理解できたのです。そこで気づいたのは、本は「構造を先に理解する」と、理解のスピードも深さも変わるということです。
地図を見ながら、旅をするように読書する
特にビジネス書の多くは、実は「決まった型」で書かれています。これを理解すれば、どんな本でも効率よく読めるようになります。読書中に「今どこを読んでいるのか」がわかるので、地図を見ながら、旅をするように安心して読み進められます。疲れも少なく、理解も深まります。あなたの読書をもっと効率的で楽しいものにするために、ここからは「構造の見抜き方」を具体的に見ていきます。
(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・加筆を行ったものです)







