【金(ゴールド)】「こんなに上がるとは…」67%上昇でもプロがまだ“買い”と断言するワケ

金(ゴールド)に投資する人が急増している。金価格は上昇が続き、ドル建てで見た価格は2024年に27%上昇、2025年には67%もの上昇となった。ただ、ここまで高くなっていると「今から買っても、もう遅いのでは?」と心配になる人もいるかもしれない。そこで、今回は金価格の今後の展望を解説!さらに、投資信託(以下、投信)で金投資を始めるのがベストな理由も紹介するので、投資の参考にしてほしい!(ダイヤモンド・ザイ編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2026年3月号の「2026年も投信で【金】を買え!」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

複数の要因が重なって、金は今後も力強い上昇が続く!
一時的な調整局面は絶好の“買い場”と考えよう!

 金への世界的な投資マネーの流入が止まらない。日本にも金ブームは到来しており、少額から気軽に買える金投信が人気を集めている。2025年に買われた投信トップ10を見ると、金価格に連動するタイプが2本もランクインしていた。いまや、オルカン(全世界株型)や米国株型のインデックス型投信に並ぶ、メジャーな投資対象となったと言っていいだろう。

 とはいえ、連日のように金価格の最高値更新を伝えるニュースが流れ、これから投資することに不安を感じる人もいるはずだ。そこで、金に詳しいプロ3人(MSIの亀井幸一郎さん、貴金属スペシャリストの池水雄一さん、楽天証券経済研究所の吉田哲さん)に今後の金価格の見通しについて尋ねたところ「長期目線でまだ“買い”」との結論で一致した。

 亀井さんは「1980年の金バブル以来の上昇ですが、今回は単発のイベントではなく、複数要因が相互作用する構図で、相場の腰は強いです」と分析する。

 上昇要因の一つは、世界的な分断の高まりだ。池水さんは「ロシアによるウクライナ侵攻で、西側諸国がロシアのドル資産を凍結したことが決定的な転換点。米ドルのみを持っていることがリスクになりました」と指摘する。

 結果、中国やポーランドなど新興国の中央銀行が、米国債(米ドル)ではなく無国籍通貨である「金」を買う動きが加速。注目すべきは「中央銀行は投資目的ではなく外貨準備として金を購入しているため、価格が上がっても売却しない」(亀井さん)こと。これが、需給を引き締める要因になっている。

 さらに、2025年の上昇相場を決定づけたのが、欧米の機関投資家の参入だ。「ほかの資産に比べて金の成績が圧倒的によく、持たないリスクが意識されるようになりました。2025年の秋からは、欧米のファンドマネージャーが一斉に買いに転じています」(池水さん)

 金は株からの逃避資金の受け皿にもなっている。吉田さんは「AI・ハイテク株の高騰に対する警戒感から、株の代わりに金を持つ動きも見られます」と話す。

 大きな流れとしては、世界的なインフレで通貨価値が低下する半面、金価格は上昇し続けるという構図になっている。金価格は過去20年で10倍、50年では100倍超になった。池水さんは「それだけ通貨価値が下がったということ。金価格はこの先の50年でも100倍になる可能性がある」と予測する。現在はバブルの頂点ではなく、通過点にいるというわけだ。

 もっとも、この先株が暴落する局面などでは、金も調整する可能性がある。「しかし、そこは絶好の買い場。リーマン・ショック時も金は急落しましたが、株よりも早く高値を更新しました」(亀井さん)とのこと。下がったところで素早く買えるように備えておく必要がありそうだ。