
「宇宙に家を建てる」――数年前なら夢物語とされたであろう壮大な計画が、世界的な宇宙開発事業の加速も追い風に、近い将来、実現されようとしている。そのカギを握るのが2018年に創業し、「折り工学」を核に製品・サービス開発を展開するOUTSENSEだ。(取材・文/大沢玲子)
同社は宇宙建築学を研究する東海大学十亀昭人教授の下で、宇宙建築を目指す学生らの出会いを契機に誕生。「当時、早稲田大学で建築を学びつつ、十亀(そがめ)教授が編み出した折り技術(ソガメ折り)が居住施設に応用できるのではという着想を得て研究室を訪問し、高橋鷹山(同社代表取締役・CEO)との出会いからサークルを立ち上げたのが起点となりました」と同社取締役・COOの堀井柊我氏。
取締役・COO・堀井柊我(しゅうが)氏
折り工学とは、伝統的な折り紙の技術を工学分野に応用する学問だ。折りの形状設計による軽量化・衝撃吸収・吸音・放熱といった新たな機能の付与が可能となり、宇宙業界では1994年より、太陽光発電パネルの展開技術として活用された。身近な製品では缶を開けると側面に三角形状の凹凸が現れ、強度を維持しつつ軽量化と材料削減を実現した飲料用缶などがある。「近年ではコンピューター技術の発展などにより、複雑な形状設計が可能となり、幅広い産業で製品開発や課題解決への貢献が期待されているものの、研究段階からの実装が課題となっていました」(堀井氏)。
設計・製造の両輪を担う
ビジネスモデルを確立
こうしたニーズの高まりを背景に、同社では最終目標として宇宙建築の実現を掲げつつ、その高い目標に向けて折り工学の設計・材料・製造のノウハウの蓄積を生かし、プロダクト設計の支援事業を展開している。
現在、設計受託・研究開発を担うR&Dサービス、製品アイデアの具現化から量産立ち上げまでトータルで支援するODMサービス、製品開発・研究開発計画を伴走型で支援するBDサービスに、立体装飾製造・3D建材などを手がける独自のSORIORI(ソリオリ)サービスを展開。「年間400件ほどの商談件数から約100件の案件化を実現しています」と堀井氏。







