英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語を話せるようになるための学習のポイント」を教えてもらった。
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「わかる英語」と「使える英語」は全く違う
先日、会議の後の懇親会で、私が大学で英語を教えていると知っている友人から、こんな質問を受けました。
「世界で話されている英語って、何だかわかる?」
私は少し考えてから、こう答えました。
「ノンネイティブの英語ですね」
というのも、英語をネイティブとして話す人は、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドを合わせても、約4億人前後と推定されています。一方で、英語をノンネイティブとして使っている人は、約12億人。
つまり、英語話者全体およそ16億人のうち、ネイティブは約25%、ノンネイティブは約75%を占めています。英語は明確に、非ネイティブが主役の言語なのです。
ところが、その友人は笑いながら、こう言いました。
「いや、それはブロークン英語だよ」
私は「なるほど」と思いました。世界で日常的に使われている英語の多くは、非ネイティブによる英語です。
そこに、いわゆる「ブロークン英語」まで含めれば、その割合はさらに高くなるでしょう。
日本人が目指すべき英語とは何か?
ここで、私がいちばん伝えたいことがあります。日本人が理想として思い描く英語は、ネイティブの英語かもしれません。
しかし、実際に目指すべき英語は、非ネイティブの英語なのです。極端に言えば、ブロークン英語でもいいのです。
なぜなら、英語は「完成度」を競うものではなく、使われることで意味を持つ言語だからです。
あなたの英語習得を阻む1つの思い込み
もちろん、発音や文法の正確さは大切です。それを否定するつもりはありません。
しかし、それ以上に重要なのは、
①自分は何を言いたいのか
➁その考えは、自分自身のものか
➂その意見に、理由や根拠があるのか
という点です。簡単なあいさつや、自分の趣味について、「きれいな英語」で話せることも素晴らしいです。
けれども、英語が本当に必要とされる場面では、「自分はどう考えるのか」、「なぜそう考えるのか」、「その考えに、根拠はあるのか」といったことが問われます。
「完璧な英語を話さなければならない」という思い込みが、多くの日本人から話す勇気を奪っています。
しかし、世界を見渡せば、完璧ではない英語で仕事をし、議論をし、人間関係を築いている人ばかりです。英語は、自分の考えを外に出すための道具にすぎません。
話し方には、その人の人生や背景がにじみ出ます。日本語に話し方の個性があるように、英語にも一人ひとり違った話し方があります。
意味やニュアンスもよく分からないスラングを真似るより、少し不完全でも、自分の言葉で伝える英語のほうが、はるかに信頼されます。
「ネイティブのように話せない」ことを恥じる必要はありません。話せないことより、話そうとしないことのほうが問題なのです。








