英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語を話せるようになるための学習のポイント」を教えてもらった。

日本にいながら英語を話せるようになった人に共通する「学習継続のコツ・ベスト3」Photo: Adobe Stock

日本にいながら、英語を話せるようになる人がいる理由

 日本で生まれ育ち、留学経験ゼロ。なのに英語を自在に使うことができる。あなたの周りにも、そんな「英語の達人」はいませんか?

 彼らは、どうやって上達したのでしょうか。

 彼らの共通点は「継続するのが上手い」ということです。学習を継続するうえで重要なのは、次の3つのポイントです。

(1)目的を「はっきり」させる。

(2)目標を「小刻み」に区切る。

(3)学習計画には「具体性」を持たせる。

※参考:『「達人」の英語学習法―データが語る効果的な外国語習得法とは』(竹内理著、草思社刊)

(1)目的を「はっきり」させる

 英語学習が続かない最大の理由は、目的があいまいなことです。

「なんとなく必要そうだから」と始めた学習は、忙しい日が続いたり、少し疲れただけで手が止まり、気がつくと数日、さらに数週間「英語に触れないまま」になってしまいがちです。

 反対に、「なぜ英語を学ぶのか」を自分の言葉で説明できる人は、学習がブレません。

 どんな場面で英語を使いたいのか、何を叶えたいのか。目的が明確になると、日々の行動が自然と学習につながります。

【具体的な方法】

・「英語でプレゼンできるようになる」など、目標を1行の英語で書く。

・その目標をスマホのメモや壁紙に貼って、毎朝見る。

・月ごとにテーマを決めて学ぶ。(例:1月=オフィスで使う英語、2月=会議の英語…)

(2)目標を「小刻み」に区切る

 英語の達人は、「できた!」という小さな成功を積み重ねて自信を育てています。長期的な目標をそのまま追うのではなく、毎日達成できる小さなステップに分けて実行します。

 大きな目標を小さく区切ることで、日々の成長を実感しやすくなります。

 毎日「少しでも進んだ」と感じられると、やる気が続き、継続の原動力になります。

【具体的な方法】

・1日1フレーズを必ず声に出す。

・3日間で「これだけは英語で言えるようにする」という「決まったフレーズ」を身につける。(例:短い自己紹介だけ、スラスラ言えるようにする)

・1週間で1分間のスピーチを仕上げる。

(3)学習計画には「具体性」を持たせる

 継続できる人の計画にはあいまいさがありません。「いつ、どこで、どれくらい、何を、どうやって」を明確に決めると、迷いが減り、実行しやすくなります。

 行動をスケジュールやTo-Doリストに落とし込むことで、学習が習慣化し、続けやすくなります。

 計画は立てるだけでなく、「行動に移せる形」にすることが大切です。

【具体的な方法】

・曜日ごとの学習メニューを固定する。(例:月=音読、火=英作文、水=シャドーイング……)

・学習記録アプリに「学習時間」「内容」「気づき」を毎日入力する。

・「朝食後10分」「通勤中の10分」など、具体的な時間と場所を決めて実行する。

 英語は、特別な才能よりも「続ける仕組み」を持てるかどうかで差がつきます。今日からできる小さな一歩を重ねれば、必ず「英語が使える自分」に近づいていきます。あなたは、どんな工夫で英語学習を続けますか?