英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語を話せるようになるための学習のポイント」を教えてもらった。

日本にいながら独学で英語を話せるようになる人の共通点3選Photo: Adobe Stock

日本にいながら英語を自在に操る人の共通点3選

 日本にいながら、英語をスラスラと使いこなす。そんな英語の達人がいます。留学経験も特別な環境もなく、日本で生活しながら、自らの力で高い英語運用能力を身につけています。

 彼らはいったいどのようにして、ここまで上達したのでしょうか。

 共通しているのは、「学習への向き合い方」が非常に上手だという点です。特に重要なのは、次の3つのポイントです。

(1)英語学習そのものを楽しむ。

(2)英語との接触時間を増やす。

(3)英語を実際に使用する機会を増やす。

※参考:『「達人」の英語学習法―データが語る効果的な外国語習得法とは』(竹内理著、草思社刊)

(1)英語学習そのものを楽しむコツ

 英語の達人は、「英語そのものを楽しむ」のではなく、「英語を通して何かを楽しむ時間」を毎日持っています。

 試験の点数アップや資格取得のためだけに学ぶのではなく、推し活・趣味・仕事・旅行など、自分の関心と英語を結びつけることで、「やらなきゃ」から「やりたい」学習に変わります。

 モチベーションは他人から与えられるものではなく、自分で選び、楽しみながら続ける過程で自然に育つものです。

【具体的な方法】

・好きな動画を「英語音声+英語字幕」で観る。(1日10分でもOK)

・英語の歌詞を聞き、気に入った1フレーズをまねして歌ってみる。

・SNSやAI英会話アプリで「好きな話題(旅行・ファッション・スポーツなど)」について英語で話す。

(2)英語との接触時間を増やすコツ

 英語の達人は、生活の中に英語を自然に取り入れる工夫をしています。「英語を勉強する時間」だけでなく、「英語に触れている時間」を増やすことで、学習量が大きく変わります。

 意志の力に頼らず、放っておいても自然に英語が耳や目に入ってくる環境をつくると、日常的に英語と接する時間が増えていきます。

【具体的な方法】

・スマホやパソコンの設定を英語に変更する。

・通勤や通学中に英語のポッドキャストを聞く。(BBC Learning English, ESL Podなど)

・SNSは、英語アカウントを中心にフォローする。

(3)英語を使用する機会を増やすコツ

 知識は使わなければ定着しません。英語の達人は、ミスを恐れず、短くても毎日アウトプットを続けています。

 大切なのは、「質」より「頻度」。「完璧さ」より「英語を常に発信すること」です。

 日常的に英語を使うことで、学んだことが「知っている英語」から「使える英語」に変わるのです。

【具体的な方法】

・AI英会話(Speak, ELSA Speak, ChatGPTなど)で毎日3分会話する。

・英語日記を書いて、AIに添削してもらう。

・英会話カフェやオンライン英会話で週1回、会話練習をする。

 英語を話せるようになるための特別な才能はいりません。楽しみながら、日常の中で英語に触れ、使うことが大切です。その繰り返しが、確実にあなたの英語力を変えていきます。