「ずば抜けて頭のいい人は、ビジネス書をどう読んでいる?」→“構造”を見抜く読書術とは?
「本を読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。

「ずば抜けて頭のいい人は、ビジネス書をどう読んでいる?」→“構造”を見抜く読書術とは?Photo: Adobe Stock

「ずば抜けて頭のいい人」がやっている読書術とは?

 本日は「頭のいい人がやっている読書術」についてお伝えします。

 ビジネス書の多くは、主張(著者が言いたいこと)、理由(なぜそれが重要なのか)、説明(詳しい解説)、言い換え(別の角度からの説明)、事例(具体的な例)の5つに分解できます。

 これらの要素を理解すれば、どんな複雑な内容でも「あ、今ここは著者の主張部分だな」「これは具体例を示している部分だな」と判別できるようになります。すると、本の迷路から抜け出せるのです。

 面白いことに、日本のビジネス書と海外のビジネス書では、この要素の並び方が少し違います。

日本と海外のビジネス書を比較すると?

 日本のビジネス書は、多くの場合「主張→理由→説明→言い換え→事例」という順番です。

 一方で、海外のビジネス書は「とにかく長い具体例→説明→言い換え→再事例」というパターンが多いんです。例えば日本のリーダーシップ本なら、

「成功するリーダーシップの秘訣は、共感力である」(主張)
「なぜなら、共感力があるリーダーほど信頼関係を築きやすいからだ」(理由)
「共感力とは相手の立場になって考える能力のことで……」(説明)
「言い換えれば、相手の喜びや悲しみを自分のことのように感じられることだ」(言い換え)
「ある企業のCEOは、部下の家族の事情に配慮したことで……」(事例)

 対して海外のリーダーシップ本なら次のようになります。

「スティーブ・ジョブズがアップルに戻った1997年、会社は破産寸前……」(とにかく長い具体例)
「このエピソードが示すように、危機的状況でリーダーに必要なのは共感力だ」(説明)
「共感力とは単に“優しい”ことではなく、相手の立場から物事を捉える能力だ」(言い換え)
「IBMのルー・ガースナーもまた、同様の共感力を発揮して……」(再事例)

要素を分解して読むメリット

 こうした違いを知っておくだけで、翻訳書を読むときの「なぜこんなに長い事例から始まるんだろう?」というモヤモヤが解消されます。「あ、これは海外のビジネス書特有の構造だな」と理解できれば、長い具体例も「著者の主張に向かうための布石」として読めるようになるんです。

 要素を分解して読むメリットは明確です。まず、理解度が格段に上がります。「この部分は著者の主張だ」と理解すれば、その重要性を認識できます。「これは単なる言い換えだ」とわかれば、要点を効率的に把握できるんです。

 次に、読書の疲労感が激減します。構造がわかると「今どこを読んでいるのか」という不安が消えるからです。

 最後に、記憶への定着率が高まります。「なぜこの事例が書かれているのか」という文脈が理解できると、記憶に残りやすくなるんです。まるで地図を持って街を探索するように、ビジネス書の世界をスムーズに進めるようになります。

ビジネス書以外にも応用できる!

 この読み方は、「論理の流れが一貫した説明文」に適したものなので、ニュースメディアや雑誌、ビジネスメールにも応用できます。ただし、小説のように暗示や比喩、語りの跳躍が多い文体には応用できないと考えてください。

(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋したものです)