かつては「副業禁止」が当たり前の時代でしたが、今は個人の活動範囲が広がり、能力を発揮できるとして、容認している企業も少なくありません。ただし、副業OKでもやりすぎには要注意。ヘトヘトに疲れて本業に支障が出てしまっては本末転倒です。もし、副業するとしたらどんな仕事がいいのか……。今回は“ふくぎょう”について考えてみましょう。※本稿は、仲山進也『組織で自分らしく成果を上げる25のトレーニング』(ワン・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。
副業で稼ぐどころかヘトヘトで本業に悪影響?
「週3日ノー残業デー」に「2030年までに女性管理職比率50%」と新たな取り組みが続く犬山電機。そこへ新たなお題が追加された。「半年以内に全員が副業を経験する」というものだ。「本業だけで忙しいのに何のために?!」「何をしたらいいの?」など、にわかにザワつく社内。そして3カ月も経つと、社内の様相が変わってきた。
夜中の警備バイトでげっそりしたハチ村課長をはじめ、深夜のコンビニ店員をしている社員などは、会議中に居眠りしている姿が目につくように……。一方で、ミケ野のようにいつもどおり飄々とふるまっている社員もいて、二極化し始めたのだった。
とある休日。副業のデリバリーバイト“WanWanEats”を終えたオレは、久しぶりに“推し”のライブへ向かった。
ところが、あろうことかライブ会場で寝落ちしてしまい、楽しみにしていた新曲初披露を聞き逃すという大失態。不甲斐なさにうつ向いて歩く帰り道、気持ちよさそうに汗をぬぐいながら近づいてきたのは、同担(※推しが同じ人)の吠崎係長だった。
吠崎係長 おや、ポチ川さん。最高のライブだったのにテンションが低いですね。どうかしましたか?
ポチ川 ……ライブ前に出前バイトだったのですが、疲れのせいか寝落ちしちゃって……新曲を聞き逃してしまったんです。あああ……。
吠崎係長 それは心中お察しします。
ポチ川 これもすべて会社が“全員副業”なんて言い出したせいですよ……。でも、吠崎係長は元気ハツラツな感じですね。副業はどうされてるんですか?
吠崎係長 もちろんやっていますよ。知人の紹介で、スタートアップ企業のお手伝いをしています。総務まわりのアドバイスがほしいと頼まれましてね。もともとボランティアで関わっていたのですが、会社で“全員副業”になったのを機に、有償に切り替えてもらいました。
ポチ川 時間とか体力的に、本業に影響ありません?
吠崎係長 ないですよ。オンラインで月に3~4時間、おしゃべりするくらいのものですから。
ポチ川 そんな副業があるなんて、うらやましすぎるんですけど……。
迎えた週明け。眠気と戦いながら仕事を終えたオレは、またニャンザップに向かうのだった。








