
金融機関のATMで紙幣を正確に送り出し、通帳をめくりながら印字をスムーズに処理する。駅の自動改札機に投入された切符を素早く取出口に搬送する。こうした不具合が許されない社会インフラを支える高機能ゴムローラーを手がける企業が東京都葛飾区にある中野製作所だ。(取材・文/大沢玲子)
タスクマネジメントグループマネージャー・中山義一氏
産業機器用ゴムローラーを核に、とことんゴムに特化。「多様なゴム製品の企画から量産までワンストップでご提供できるのが当社の強みとなっています」。同社タスクマネジメントグループマネージャーの中山義一氏はそう胸を張る。
創業は1972年。腕時計用のゴムパッキンの精密加工を起点に、カセットレコーダーやレコードプレーヤーのゴムベルトの製造を手がける中、デジタル化などの市場環境の変化を受け、高付加価値なゴムローラー事業へ進出。「お客さまのニーズやお困りごとに対し、“一点一様”のものづくりにこだわり、製品によって異なる役割、ストレスへの耐性を踏まえた機能性を実現するべく技術力とノウハウを磨いてまいりました」(中山氏)。
ランニングシューズの
耐摩耗性、耐滑性を実現
こうした蓄積を経て、2008年に生み出したのが、ゴムと各種プラスチックの化学結合(分子架橋結合)を実現する異素材接着技術「Radicalock®(ラジカロック)」だ。
発端となったのは、99年、同社2代目社長・中野勝巳氏が展示会で出合った新技術「K&K複合化技術(ゴムと樹脂を架橋結合する技術)」だ。ドイツのダイセル・エボニック社が特許取得していたものの、ゴム側の製造方法が確立されておらず、実用化には至っていなかった。
新たなゴム技術を模索する最中にあって、同技術に着目し、研究開発を推進。数年の試行錯誤を経て、接着剤を使わず、ゴムとプラスチックを強固に結合する画期的な同技術が完成する。







