ゴムとプラスチックの直接化学結合技術「ラジカロック」を活用した靴底シートにより、アスリート向けランニングシューズの軽量化と耐久性を実現
「ラジカロックの活用により、軽量なゴムとプラスチックを結合した複合部品の製造が可能となり、製品の軽量化や形状合理化、保守作業の効率化が図れます」と中山氏。同社のゴムローラーへの採用に加え、新たな転機として、10年にはダイセル・エボニック社からの依頼で、アスリート向けのハイエンド・ランニングシューズのソールに活用された。
小さな面積でも確実に結合できるラジカロックの技術と、中野製作所独自のゴム配合技術を組み合わせることで、軽量で耐久性があり、雨の日でも滑りにくい耐滑性を兼ね備えたランニングシューズ用靴底シートが実現。「大手スポーツメーカーに採用されたのを機に、紳士用靴も含む複数の大手シューズメーカーに採用され、BtoBtoCへ事業を拡大する契機となりました」(中山氏)。
“タスクフォース方式”で
サービスの高度化を図る
不織布にゴムを含浸させる新素材「ソレナプラス」。知財戦略にも注力
さらに同社ではアンカー効果を活用した新たな異素材接着技術の提案を進める他、不織布にゴムを含浸させる新素材「Solena+(ソレナプラス)」や、ラジカロックを応用し表面に液状ゴムをコーティングし、粘着性を与えた高機能なガット用材料の共同開発など、精力的に事業の多角化を進めている。
こうした企業姿勢の背景には、顧客の要望に対し、「まずはやってみる」「諦めずにやり遂げる」といった“ナカノイズム”とも呼ばれる組織風土がある。また、「研究開発やあらゆるプロジェクトに対し、営業、設計、開発、製造が一体となって自分ごととして取り組む“タスクフォース方式”を採用しています」と中山氏。こうした組織体制により開発の迅速化と正確性を両立させる他、社員1人が複数の工程を担うことができる多能工化も推進している。
今後も紙搬送ローラーなどの既存市場の縮小も見据えながら、「ゴム材料配合・加工技術をとことん突き詰め、新規事業開拓を進めていきたいですね」と力強く語る中山氏。“ゴムのエキスパート”が生み出す新たな展開に期待したい。
(「しんきん経営情報」2026年3月号掲載)
事業内容:工業用ゴム製品製造・販売。ゴムローラー・ベルトの設計、製造、販売
従業員数:25人
所在地:東京都葛飾区細田3‐30‐6
電話:03‐3658‐7257
URL:nakasei.co.jp







