
富裕層の意外な行動、習慣をひもとくと、彼らならではの人生の哲学が見えてきます。例えば、食事。そのイメージとは裏腹に日ごろは質素な食事を心がけている人も多いといいます。その理由とは。長年、世界の超富裕層に“執事”としてサービスを提供してきた筆者が、富裕層の意外な一面をお伝えします。(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)
超富裕層があえて
外食でファミレスを選ぶワケ
私は執事として、国内外の超富裕層の方々に対して、執事サービスを提供してきました。
お客様の多くは、企業創業家のご一族、プロスポーツ選手、芸能関係の方々など。最低でも資産50億円以上、年収5億円以上の方々です。そんな方々に対して、生活のサポートにとどまらず、ご子息の教育支援や資産管理、ビジネスサポート、ライフスタイルのプロデュースまで人生全体をワンストップで支えるのが私たちの仕事です。
超富裕層の方々の生活をそばで支える立場として私は長年、彼らの価値観や行動、習慣を見続けてきました。中には、おそらく世間的な“お金持ち”の印象とは異なるであろう一面もありました。
ですが、超富裕層の方々の内面を知っていくと、一見意外な行動や習慣の背景に彼らならではの哲学が存在していることがわかります。
さっそくですが皆さん、「富裕層の食事」に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。
高級フレンチや日本料理店など格式高いレストランでのディナー……そんな様子を思い浮かべるかもしれません。
たしかに誕生日や進学祝いなど、特別な記念日には高級レストランを利用されるご家庭もあります。
しかし、普段の外食ではあえてファストフードやファミリーレストランを選ぶ──それが、多くの超富裕層に共通する習慣なのです。
一見、資産規模と合わないようにも思えるこの選択には、非常に明確な哲学があります。