ベストセラー『「悩まない人」の考え方』著者の木下勝寿氏が「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と絶賛する本がある。『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。著者の森武司氏は、数々の逆境を「仲間力」で乗り越えてきた人物。今回インタビューした株式会社ヒロプロ代表取締役・廣池基史氏もまた、壮絶なパワハラを受けながらも、それをバネに成功を掴んできた。
物を投げられ、みんなの前で怒鳴られる日々。しかし廣池氏は「全く響いてなかった」という。周りが驚くメンタルの強さの秘密と、「見返してやる」という復讐心をエネルギーに変える技術とは――。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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20年前は「当たり前」だったパワハラの日々
――廣池さんは過去にパワハラを受けていたと聞きました。具体的にどんな状況だったのですか?
廣池基史(以下、廣池):これまでの社会人生活を振り返ると、そういうことが当たり前だった時代なので。ただ当時は「パワハラ」という言葉はありませんでしたので、良い解釈をすると「ご指導」ですね(笑)
みんなの前で怒鳴られることは日常で、仕事の話だけでなく人間性を否定されたりもありましたね。出張先で4時間怒られ続けることもありました。思い返せば、資料やペンを投げられたこともあります。私の上につく上長が、大体皆怖い人でした(笑)。
――それは…辛い環境ですね。どうやって耐えたのですか?
廣池:実は、全く響いていませんでした(笑)。
――え?
廣池:もちろん話は聞きます。でも、良いメッセージに対してはちゃんと聞き入れますが、感情で怒っている人や、自分のやり方が気に入らないから怒っているだけの人は、話を聞いているとわかります。あと正しいことを言っているようで、そうでない人も結構多かったです。
その時は、怒られながらも「この人の言っていることは当たってないな…」と思いながら聞いている時もありました。
それを後から周りの人が「大丈夫? 怒られてたけど…」と寄り添ってきてくれるのですが、「全然気にしてないですよ」「怒る方も大変ですよね」と逆に同情していました(笑)。
周りが驚いた「響かない」メンタルの正体
――それ、相当メンタル強いですね。
廣池:強がっているのではなく、心の底からそう思っていました(笑)。それは自分の性格がマイナスな状況になっても、常にプラス思考に切り変えていることに尽きます。
怒られている人が駄目で、間違っている人という印象に見えがちですが、人間誰でも失敗はあります。そして、実は周りの人たちも、自分たちが怒られないよう上司に怯えながら生きている人も多いと思います。だから、自分のように怒られても平気な人がいると、逆に「すごい鋼のメンタル」「何で響いてないのか話を聞いてみたい」と思ってもらい寄ってきます(笑)
メンタルの源は「復讐心」――見返してやるエネルギー
――そのメンタルの強さの源は何ですか?
廣池:「復讐心」ですね。
――復讐心?
廣池:「見返してやる」というエネルギーです。実害的に復讐をするのではなく、言われたことと真逆のことをやって、結果を出して、黙らせる。そういう野心がありました。
新卒で広告代理店に入ると言って大学を卒業したのに、実際は家電量販店でピンクの法被を着て働いている。プライドも恥ずかしさも何もなく「あいつ何やっているのだろう」と周りから思われていても、「今に見てろよ」と思いながら、そこから這い上がり、結果を出すだけ。そういう「復讐心」が、私のエネルギーになっていました。
失敗を隠さず、オープンにする戦略
――失敗や劣勢を、バネに変えてきたのですね。
廣池:そうですね。自分の性格上、失敗したときやトラブルが起きたとき、怒られたということを隠さず、オープンにしています。今の若い従業員たちに過去の話をするときも、成功した話より、失敗談の方が多いです(笑)
失敗や劣勢、そういうシーンをこれまで多く経験し、そこからどうやってプラスにしていくか。その高い壁を乗り越えた時が、一番自己成長を感じます。
怒っている人を「かわいそう」と思える思考回路
――パワハラを受けても腐らない、むしろエネルギーに変える。それが最強のメンタルなのですね。
廣池:そうですね。先輩たちから多くの“ご指導”を受けてきたので、メンタルは強い方だと思います(笑)。環境のせいにしたり、上司や先輩のせいにしたりしても、状況は変わりません。であれば、その状況を利用して、自分を成長させる。「見返してやる」というエネルギーに変える。それが、結果的に自分を強くするのです。
あとは、怒られ過ぎると、逆に怒っている人たちが「かわいそう」だなあと思うようになってきます。自分のためにここまで熱量を持ってもらうことが申し訳ないと同情の気持ちになってしまいます。あとは、これ以上怒り過ぎると私にも周りの人にも嫌われてしまうので(笑)、「かわいそう」だと思えてきてしまい、逆にこちらから話しかけたりします。これは、ちょっと特殊な思考回路ですが(笑)。
最後に――パワハラで悩む読者へのメッセージ
――最後に、今パワハラやハラスメントで悩んでいる読者に向けて、メッセージをお願いします。
廣池:感情で怒っている人の言葉は、全部真に受けなくて良いと思います。良いメッセージだけ受け取り、あとは参考として聞き入れ、納得いかないときには「いつか見返してやる」という復讐心というエネルギーに変える。それが、最終的に自己成長につながります。
『スタートアップ芸人』の森さんも、失敗を隠さずオープンにすることで仲間を集めてきた方です。お笑い芸人からニートになって、そこから年商146億円の会社をつくるまでの過程には、数々の失敗や挫折がある。でも、それを隠さず、むしろ武器にして前に進んできました。
今、辛い状況にいる人は、読んでみると勇気がもらえると思います。環境のせいにするのは簡単です。でも、その環境を利用して、自分を成長させる。その選択ができるかどうかが、人生を変えるのです。
(本書は『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』に関する特別投稿です。)










