ベストセラー『「悩まない人」の考え方』著者の木下勝寿氏が「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と絶賛する本がある。『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。著者の森武司氏は2005年にFIDIAを創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円の企業へと成長させた。その背景には、金なし、コネなし、学歴なしの状態から培った「仲間力」があるという。
今回話を聞いたのは、森氏と同じく元芸人で、現在はFIDIAグループのグループホーム事業「FIDIA DAYS」の社長を務める水上雄一氏。人気芸人・山里亮太氏の元相方であり、ドラマ『だが、情熱はある』に登場する宮崎君のモデルとしても知られる人物だ。そんな水上氏に、今も行動指針になっているという“尊敬する人の教え”について聞いた。23歳の頃、水上氏がポイ捨てしたタバコを笑い飯・哲夫が拾った。その時に言われた言葉とは? (構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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笑い飯・哲夫がなぜ芸人に慕われるのか?
――尊敬している人はいますか?
水上雄一(以下、水上):います。人として心から尊敬していて、今も自分の行動指針にさせてもらっている人がいます。それは、笑い飯の哲夫さんです。
哲夫さんには芸人時代に本当にお世話になりましたし、そのときに見せてもらった“人としての姿勢”に、強く感銘を受けました。今でも、自分の軸のような存在です。
――哲夫さんは、多くの芸人さんから慕われている印象があります。水上さんから見て、その理由はどこにあると思いますか?
水上:これは誰かと比較したり、評価したりする話ではなく、あくまで「僕はそう感じた」という前提で聞いてほしいんですが。哲夫さんは、根っこが「教師」なんだと僕は感じます。
僕個人の感覚ですが、笑い飯さんが世に出てから、漫才の形が変わったと思っています。
大喜利的な構造の漫才や、いわゆるインテリお笑いの源流は、笑い飯さんだったんじゃないかと。
それだけじゃなくて、芸人の「考え方」そのものにも、大きな影響を与えた存在だと感じています。
叱らずに示す!
「覚悟」を教える衝撃的な言葉
――「芸人の考え方が変わった」というのは具体的にどんな点でしょうか?
水上:僕が強く感じたのは、「人を笑かすなら、自分自身に対してもテキトーであってはいけない」という姿勢です。
「人の前に立って、人を笑わせようとするなら、そんな中途半端な考え方するな」と。
哲夫さんから直接そう言われたわけではないんですが、行動から教わったと感じています。
特に今でも忘れられない出来事があります。
僕が23歳くらいの頃、哲夫さんや他の芸人さんたちと街を歩いていたときのことです。
当時はタバコのポイ捨てに関する条例がつくられる前で、正直ポイ捨てはよくある光景でした。僕も何気なく、タバコをポイっと捨ててしまったんです。
そうしたら、哲夫さんが、僕が捨てたタバコを拾って。何も言わずに、自分のポケットに入れたんです。ゴミ箱に捨てるでもなく。
――ポケットに…!
水上:僕は慌てて、「すみません! タバコ拾わせてしまって!」と謝りました。でも哲夫さんは怒らず、静かにこう聞いたんです。
「おまえは、なんでここにタバコ捨てたん?」
僕が「みんな捨ててるし、街も汚いから、これくらいいいかなと思って」と答えると、
「おまえはこの大阪を、自分のテリトリーと思ってへんのやな。ここで生きていく覚悟があって、自分の街やと思ってたら、タバコなんか捨てへんやろ」と。
言葉は多少違うかもしれませんが、主旨はそんな内容でした。
言葉より行動!
人は「背中」を見て学ぶ
――とても哲学的なお話ですね
水上:そうですね。哲夫さんは哲学科出身ですが、説教ではなく、自然な行動で示すんです。
もしあのとき「ポイ捨てしたらあかんぞ」と叱られていたら、「すみません」で終わっていたと思います。
でも哲夫さんは、タバコを拾って、何も言わずにポケットに入れた。
その行動があったからこそ、今でも鮮明に覚えているし、「あ、自分は覚悟のないことをしていたんだ」と深く刺さったんです。
――確かに、20年以上経った今でも鮮明に覚えているわけですもんね
水上:そうなんです。哲夫さんから教わったのは、人は言葉よりも、行動を見て学ぶということでした。
それは経営でも、チームづくりでも、まったく同じだと思います。
責任も覚悟も、結局は言葉より行動に表れる。だから僕も、誰かを叱ったり求めたりする前に、まずは自分自身がどんな姿勢で向き合っているかを顧みて、そこから始めるようにしています。
こうした姿勢は、今いるFIDIAでも大切にされています。森社長の『スタートアップ芸人』には、金なし、コネなし、学歴なしの状態から「仲間力」で年商146億円企業をつくった軌跡が描かれています。仲間との信頼関係をどう築いていくかのヒントが詰まった一冊です。
(本書は『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』に関する特別投稿です。)










