米連邦準備制度理事会(FRB)にとって最大の懸念は常に、インフレ抑制と雇用保護のどちらかを選ばなければならない状況に陥ることだった。6日発表された2月の雇用統計によって、そのジレンマが一段と現実味を帯びてきた。1月の雇用統計は堅調で、労働市場は足場を固めつつあるとの期待が高まっていた。だが、2月の統計はその「芽」をしおれさせた。非農業部門就業者数は9万2000人減少し、失業率は4.4%に上昇した。この結果は雇用が安定化するという楽観論を打ち砕き、労働市場が水面下で悪化しているのではないかという懸念を再燃させた。政府にとっては最悪のタイミングといっていいだろう。FRB当局者はイランでの米・イスラエル軍事作戦を受けたエネルギー・コモディティー(商品)価格への新たな脅威に取り組み始めたばかりだった。この軍事作戦により世界の主要な航路が閉鎖され、エネルギー生産の大部分が停止する恐れがある。