中東の戦争を受けて世界のエネルギー市場は混乱しているが、この状況は、中国が長年備えてきた緊急事態のシナリオそのものだ。中国政府は、中東での紛争が石油供給を絶ち、経済に大混乱をもたらす可能性を懸念して、輸入への依存度を抑えるため多額の資金を投じる一方、大量の備蓄を積み上げ、エネルギー調達先の多様化を進めてきた。イランでの戦争により、こうした懸念の多くは現実のものとなった。中国は、米国による無謀な行動と自身が見なす事態から自国経済を守ろうとしており、現状はその中でも最大の試練となっている。今のところ、中国政府はこの嵐を乗り切っている。イランはホルムズ海峡を通じたエネルギー輸送を事実上遮断しようとしている。ホルムズ海峡はサウジアラビアなどの産油国とアジアやその他の地域の石油輸入国を結ぶ重要な水路だ。中国は数量的に世界最大の石油輸入国だが、日本や韓国などと比べホルムズ海峡への依存度は低い。