「努力しているのに、なぜか評価されない」
そんな経験はないだろうか。遅くまで働き、目の前の仕事もこなしている。それでも、小さい仕事ばかり任されてしまう人がいる。一方で、同じように働いていても、なぜか評価され、大きな仕事を任される人もいる。
その差は、努力の量ではない。「必要なのは、努力の向きを変えることです」と語るのは、815社・17万3000人の働き方改善を支援してきた専門家・越川慎司氏だ。同氏の著書『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』では、職場で評価される人たちの共通点が明らかにされている。この記事では同書から、評価された人の61%が実践していた「ある習慣」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

【手土産】職場で「評価される人」と「平凡な人」の“手土産の違い”・ベスト1Photo: Adobe Stock

その手土産、「1つだけ」で本当に十分か?

 社内のお世話になっている人や、社外の取引先に、手土産を持っていく。

 これは多くのビジネスパーソンにとって当たり前の行動である。

 しかし、抜擢される人たちは、その上をいく。

 815社17万人の「働き方改善」を支援してきた専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』で、職場での評価が高い人たちの共通点を次のように紹介している。

28社1万9,678名に対するアンケート結果を見ると、期待されている人たちの61%が、手土産を「2つ以上」用意していることがわかったのです。
全体回答における比率では27%でしたので、2つ以上用意している人がかなり極端に偏っていることがわかります。

【手土産】職場で「評価される人」と「平凡な人」の“手土産の違い”・ベスト1
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

 これは、“誰に何を渡すか”だけではなく、渡したものが“どう影響するか”まで考えているからだ。

「皆さんでどうぞ」が評価を一段引き上げる

 いったいどういうことか。

 越川氏は、その意図について次のように説明している。

これは訪問先の相手だけでなく、その人の「周囲の人」まで視野に入れているからです。
1つは直接の相手へ。もう1つは部署やチームの人たちに渡してもらうためなのです。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

「皆さんでどうぞ」

 この一言によって、その場にいない人まで巻き込む。
 結果として、「気が利く人」という印象が広がる。

渡した「後」のことまで徹底的に想像する

 さらに彼らは、渡した後のことまで考えている。

彼らは、「このお菓子が共用スペースにあったら、どう感じるだろう?」「残った箱は邪魔になるのでは?」という視点まで持ち合わせていました。
だからこそ、手土産は必ず個別包装のものを選び、近日中に再訪の予定があれば、その際に、残った空箱の回収まで抜かりなくおこなっています。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

「そこまでやるのか」と思われたかもしれない。

 だが、実際に越川氏が「手土産1つ」「手土産2つに、空箱も回収」など、いくつかのグループに分けて実践してもらい、「一緒に仕事をしたい」と評価された割合を調査したところ、前者は32%、後者は74%という結果になったという。

 つまり、ビジネスにおいて大きな戦略だけが人を動かすのではないということだ。

 むしろ日常での小さな工夫と、「こうすればもっと喜ばれるのでは?」という仮説を立てて試す力が、周囲からの信頼と協力を呼び込んでいた。

 こうした小さな気遣いが積み重なることで、評価や信頼において大きな差が生まれていたのである。

(本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』に関連した書き下ろし記事です)