『出世が早い人の89%がエレベーターで実践していた“意外な行動”があります』
そう語るのは、これまで800社以上を支援してきた「働き方」の専門家である越川慎司氏だ。815社の17万3000人を対象に、カメラ、ICレコーダーによる記録、会議データ、メールやチャットの履歴などのデータを分析したところ、同世代より出世が早い「期待されている人たち」の意外な共通点が見えてきたと言う。
その特徴をまとめた書籍『会社から期待されている人の習慣115』の発売が決定。ベストセラー『世界の一流は「休日」に何をしているのか』の著者が、今度は「一流は、評価される“前”に何をしてきたのか」を解き明かした。「こんなことが重要だったのか!」といった驚きが溢れる同書から、内容の一部を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「ボタン係」をする習慣に58%もの差がある
28社の人事部と連携し、1万2897名の行動観察調査を実施しました。その際、エレベーター利用時の行動パターンを記録・分析したところ、意外な結果を得ました。
期待されている人たち(評価上位20%)の89%が、他人の目的階も押してあげる「ボタン係」を積極的にしていたのです。
一方で、その他の一般社員でこの行動を取っていた人はわずか31%でした。
58%もの差は、私たちにとっても予想外でした。
「ありがとう」と言われる回数が3.2倍多い
さらに調査すると、彼らは単にボタンを押すだけではなく、乗り込んできた人に「何階ですか?」と声をかけ、降りる際には必ず「お疲れ様でした」と声をかけていました。
この一連の行動により、たった20秒程度で「親切な人」「気配りができる人」「話しかけやすい人」という印象を相手の記憶に刻み、他部署とつながる土台を築いていたのです。
なぜ、この小さな気配りが出世につながるのか?
真相を探るため、さらに18社でエレベーター内の行動観察調査を実施しました。結果は予想以上に明確でした。
ボタン係を積極的に行う人は、社内で「ありがとう」と言われる回数が一般社員の3.2倍であり、一日に平均15回以上、感謝の言葉を受けていたのです。
2週間の実践で、印象がグッと良くなる
調査の過程では、普段意識していなかった方々がエレベーターで意識的にボタン係を実践し始めると、2週間程度で周囲から「最近、感じがいいですね」「気が利きますね」といった声をかけられるようになったとも報告してくれました。
社会心理学の研究によると、人は小さな親切を受けると、その人に好意を持ち、何らかの形で恩返しをしたくなる傾向があると言います(返報性の原理)。
期待されている人たちは、無意識にこの心理効果を活用していたのです。
(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の内容を一部抜粋した記事です。書籍では、こういった習慣を115個紹介しています)




