『職場でとんでもなく嫌われる「協調性のない人」がよく口にする言葉』
それを教えてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「チームの空気が変わった」「メンバーとの関係性が良くなった」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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協調性のなさを表す「ひと言」
職場には、「協力してほしい」と言えば言うほど、なぜか人が離れていく人がいます。
たとえばこんな言葉が無意識に出てしまうタイプです。
「仕事なんだからやるべきでしょ?」
「上がそう言ってるんだから、協力してよ」
「合理的に考えて、これが正しいよね?」
頼みごとをするときも、どこか命令調。
相手の事情を考えず、正論だけを押しつけてしまう。
本人は悪気がない。
むしろ「正しいことを言っている」と思い込んでいる。
なのに人が離れていく――。
その理由はとてもシンプルです。
相手を“説得している”から。
こういった言葉が、「協調性のない人」が口にしがちな“ワースト1”の口癖なのです。
「説得」が人間関係を壊す
『チームプレーの天才』という本では、こう指摘されています。
相手を巻き込もうとするとき、私たちはその思いの強さのあまり「説得モード」に入ってしまいがちです。しかしながら相手にも事情がある。巻き込む側(仕掛ける側)の思い、ましてや正論だけではうまくいかないでしょう。
――『チームプレーの天才』(98ページ)より
正しいことを“説明”すれば相手が動くと思い込んでしまう。
しかし現実は真逆で、説得されると人は本能的に抵抗します。
だから、口にする言葉がどんなに正論でも、
「やるべき」
「普通ならこうでしょ?」
「上からの指示なんだから、従ってよ」
こうした“押しつけワード”を連発すると、周囲は静かに距離を取り始めます。
“説得”では協力を得られないどころか、「敵」を生むのです。
「納得」をデザインできる人が好かれる
では、協調性のある人はどう動くのでしょうか。
同書はこう続けます。
共創するのがうまい人は、説得戦略と納得戦略を絶妙に切り替えてコミュニケーションをとります。
――『チームプレーの天才』(99ページ)より
優秀な人、人に好かれる人は、説得ではなく“納得”をつくるのです。
無理に押しつけず、まず情報だけ渡す。
相手が「腹落ち」するまで待つ。
相手が主体的に動きたくなる“余白”をつくる。
こういった工夫で、相手が喜んで巻き込まれたくなる状況を創っていきます。
押しつける人は「正しさ」で人を動かそうとする。
好かれる人は「納得」で動いてもらう。
この差が、協調性のある人とない人の決定的な違いです。
もしあなたが「もっと人に協力してほしい」と願うなら、今日からこう考えてみてください。
“説得”するのをやめて、“納得”してもらえるようにする
それだけで、チームの空気が驚くほど変わります。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)







