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「3DプリンタよりもCNCルータがクール」
――米Make誌編集長が描くメイカームーブメントの将来像

大原雄介
【第90回】 2013年7月10日
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――メイカーフェアは米国だけでなく、世界中に広まってます。日本もそうですし、5月には台北でも開催されました。ただ今のところ、なんと言うか、テクノロジーが十分に発達した国が多いですよね?

ムーア(以下JM) 先日、メイカーフェア・アフリカが開催されたことを誇りに思っています。メイカーフェアは先進国だけでしか開催できないわけではなく、世界中どこででも開催できます。実はメイカーフェア台北と、6月1-2日に開催されたメイカーフェア・ソウルは私が各国の出版社に開催を勧めたものです。メイカーフェアのコミュニティは、アジアにおいては非常に活発で、来月はシンガポールで開催される予定です。

 実のところ、小ぶりなイベントを含め、メイカーフェアは、今年世界中で60ヵ所以上で開催される予定です。どんな場所で行なわれているかはサイトのMAPで示した通りです。毎年毎年、新しい場所で開催されています。中国でも深圳で開催されています。メイカーのすばらしいコミュニティによって、単純に共有し、見せ合い、助け合い、何かを得るためにメイカーフェアは開催されると考えてください。

MF 例えばメイカーフェア・デトロイトを例にとってみましょう。御存知の通りデトロイトは決して経済状況は良くありませんが、ここはコミュニティでオープン・ガーデニング・プロジェクトが進行中です。これは、庭から有毒な化学物質とか重金属などを取り除こうというプロジェクトです。メイカーフェアはコミュニティで興味のあるテーマに沿って開催されることになります。ですからメイカーフェア・アフリカの場合、綺麗な水を得るとか、地域発電を実現するといった事柄がテーマとなります。各々の場所でそれぞれの課題があり、これをそれぞれの方法で解決してゆく訳です。

――なるほど、そういう視点で言うと、Maker Faire Tokyo、あるいは日本で開催されるメイカーフェアのテーマとなるのは何でしょうか?

JM 私の立場から言えば、0歳から90歳までの人に来て欲しい(笑)。日本で最初にMTMを開催したとき、600人が訪れて下さった。驚くべきことに、昨年のMaker Faire Tokyoでは9100人もの方が訪れて下さった。我々のブランディングは成功でしたが、逆にスペースが足りなくて混雑しました。

 ただ人数そのものは、企業はともかく我々には重要ではありません。重要なのは、人々が集まれる時間を作ることです。そこで顔と顔を突き合わせてコンタクトできることが重要だと思っています。だからこそ、誰にでも来て欲しいと望んでいます。

 将来は子供のためのコミュニティ・スペースも作りたいと思っています。今後は子供向け市場や教育市場とも、もっと協力してゆきたい。台湾は非常に良い例で、メイカーフェア台北のスタッフはすべての小学校にメールを送ったんです。この結果、教師が子供を連れて参加してくださいました。我々はこうしたモデルを複製して、他の国にもってゆきたいと思っています。

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