これから先も、子どもは異なる価値観を受け入れて成長していきます。友だちの家には友だちの家のルールや文化があること、担任の先生が変わるたびに教室内でのきまりが変わること、小学生と中学生では求められるものが変わること……その1つ1つを子どもはとまどいながらも受け入れます。たった1つの価値観の中で育てられるはずはないし、もしそんなことがあるとすれば、子どもはひどく薄っぺらな人間になってしまうでしょう。

孫と祖父母の蜜月は
短いけれど大切な時間

『この子はこの子のままでいいと思える本』書影『この子はこの子のままでいいと思える本』(佐々木正美、主婦の友社)

「この先ずっと続いていくのかと思うと憂鬱です」とありますが、そんなことはありませんよ。祖父母と孫が親しく過ごす時間は本当に短いものです。子どもも甘えなくなりますし、祖父母もそれを感じとります。

 けれど、あたたかい関係はちゃんと残るのです。わが家の例ですが、うちの子たちは祖父母に本当にかわいがってもらったので、祖父母が衰えて手助けを必要としたときに、イヤな顔をしたり、「あとで」と断ったりすることは絶対にありませんでした。物をとってほしいとか、少しだけ肩を貸してほしいとかいう祖父母の願いを、彼らはいつも快く引き受けていました。それは幼いころ、祖父母に同じようにしてもらっていたからにほかならないのです。

 祖父母は、親にできないことをしてくれる存在です。そしてまちがいなく、あなたのお子さんをかわいがってくれている人です。愛情を惜しげもなく与え、幸福を願っている人なのです。そんな人は、ほかにはいません。その愛情をもらわないのは、本当にもったいない話です。