国の結核治療の予算は
多くを援助に頼っている

 こうした世界の結核問題に、日本はすでに多大な貢献をしている。HIV/エイズ、結核、マラリア撲滅のために2001年に設立された世界基金に、すでに17億4492万ドルの資金を拠出しており、2011~13年にかけて最大8億ドルを拠出すると表明している。国民の税金が世界の結核患者の治療のために使われているということだ。

 多くの国では保健財源を世界基金などの国際機関からの助成や寄付に頼っており、その比率も高い国が多い。

 そのため、すこしでも先進国が拠出金を減らしたりすれば、たちまち被援助国の医療体制は傾く可能性が高い。

 アフリカ諸国に関して言えば、結核治療に関する予算のうち、自国内での資金調達の割合は総じて低い。例えばエチオピア24%、モザンビーク41%、ジンバブエ42%、タンザニア53%、ナイジェリア56%、ケニア64%となっている。(いずれも出所はGlobal Tuberculosis Report 2012)

 それほど脆弱な体制のもとに成り立っているのだ。

 さらに付け加えると、医療従事者の数も少なく、かつ経験が浅い未熟な医者が多い。

 タンザニアでは、クリニカルオフィサー、アシスタントメディカルオフィサー、メディカルドクターという、基本的に3つの医療従事者の役職がある。

 クリニカルオフィサーは、一番下のランクで、郊外などの地域の診療所で患者のケアをするのが役割だ。トレーニングは3年間だ。アシスタントメディカルオフィサーは、さらに臨床の経験を積んだ医者で、メディカルドクターが、一般的に先進国でいう医師にあたる。6年間医学部に通い、卒業した者だ。

 しかし、このメディカルドクターは、地域の大きな病院に配置されているのみ。地域の現場の医療従事者のなかに、きちんと先進的な医学教育を受けた医者がいるケースは稀だ。