ベストセラー『「悩まない人」の考え方』著者の木下勝寿氏が「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と絶賛する本がある。『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。著者の森武司氏は「仲間力」で組織を動かしてきた人物だ。
今回、本書に深く共鳴した株式会社SDCs代表取締役・岡藤道雄氏に話を聞いた。通信業では、組織崩壊寸前だった九州のパートナー拠点を、メンバーを一人も入れ替えることなく1年で全国1位へと導いた。現在は採用&キャリア支援・交流会運営・子ども食堂運営を展開する株式会社SDCsの代表として活動する岡藤氏が語る、チーム再建の秘訣とは。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「管理者」という名前だけで、
誰も管理していなかった
――全国最下位の拠点を立て直すことになったとき、チームはどんな状態からスタートしたのですか?
岡藤道雄(以下、岡藤):ルールが曖昧で、管理者が機能していない状態でした。
管理者という名前は付いているけど、実態は管理していなかった。なので、ルールを私が全部決めていくような形で、一人ひとり正していくことから始めました。
難しかったのは、メンバーの半分ぐらいが年上だったことです。しかも私は本社から突然入ってきた人間で、他社のメンバーたちをまとめる立場でした。最初はバチバチでしたよ。「なんでこいつの言うことを聞かないといけないんだ」という空気が最初はありました。
――年上・他社のメンバーを動かすために、まず何をしましたか?
岡藤:その方たちから連絡が来たら、いつであっても必ず電話に出ると決めました。
不満も含めて全部聞く。土日も関係なく受ける。1時間、2時間話すことも全然ありました。まずはいったん受け止めるために時間を使う。そうなってくると、だんだん相手が心を開いてくれるので、そうなると私の言うことも聞いてくれるようになります。
「押しつける」のではなく、
「折り合いをつける」
――相手の不満を聞くだけで、本当に動いてくれるようになるものですか?
岡藤:聞くだけじゃないんですよ。まず受け止めたうえで、私の考え方を後から話す。相手の尊厳を維持しながら、自然と私のフィールドに入ってもらうようにするんです。
だいたいみんな、自分の意識をただ押しつけるだけになってしまっている。でも相手にも意見があるので、折り合いをつけることが大事です。
――「押しつけるだけの上司」と「折り合いをつける上司」、現場でどんな違いが生まれましたか?
岡藤:押しつけるだけの上司がいる職場って、メンバーが表面上は従っているように見えて、実は全然動いていないんですよ。言われたことだけやって、それ以上はやらない。でも相手の話をちゃんと聞いて、折り合いをつけていくと、自分から動くようになってくる。指示待ちじゃなくなるんです。それが積み重なっていくと、組織全体が変わっていく。
――具体的に、メンバーの行動がどう変わっていったのですか?
岡藤:最初は連絡も最低限しかしてこなかったメンバーが、自分から「こういうことをやってみたいんですが」と言ってくるようになっていきました。そうなってくると、こちらが細かく管理しなくてもよくなる。メンバーが自走し始めるんです。
――変化が出てくるまで、どのくらいかかりましたか?
岡藤:半年です。熊本・宮崎・鹿児島など九州各地を回り、ひたすら話し込みました。焦らず、一人ひとりと向き合い続けた結果、メンバーが自走し始めた。結果、クライアントが定める品質評価にて、全国最下位の拠点が、1年で1位になりました。
「変わらない部下」は存在しない
――「うちのメンバーは変わらない」とあきらめている管理職へ、メッセージをお願いします。
岡藤:「変わらない部下」はいないと思います。断言できます。
人は誰でもいつでも変われる。ただ、向き合い方が大事です。変わらないんじゃなくて、変えられていないだけ。自分の意見を押しつけるだけでは絶対に変わらない。相手の話を全部聞いて、折り合いをつけながら進む。それだけで、人は変わります。
チームの立て直しに悩んでいる方には、『スタートアップ芸人』が参考になるかもしれません。著者の森武司さん自身が、仲間が離れていった経験や、それでも人を信じて向き合い続けた話を具体的なエピソードで書いています。「人が変わる瞬間」を現場で見てきた人間の言葉として読めるので、マネジメントに悩んでいる方に特に刺さると思います。
(本書は『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』に関する特別投稿です。)










