AIを使う人が急速に増えるなかで、「AIを使っていないと評価が下がるのではないか」と不安を感じている若手社会人も少なくありません。一方で、「とにかくAIを使えばいい」というわけでもありません。AIに頼りすぎることで、むしろ評価を下げたり、成長の機会を失ったりするケースも出てきています。
では、AI時代に評価される若手と、そうでない若手の違いはどこにあるのでしょうか。本記事では、全680ページ、2700円のいわゆる“鈍器本”ながら「値段の100倍の価値はある!」との声もあり話題の書籍『AIを使って考えるための全技術』の著者である石井力重さんに、評価されるAI活用の考え方について聞きました。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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AIを使わない若手は評価が下がる?
――AIを使っていない若手社会人は、組織や上司からの評価が低くなるのでしょうか。
企業によってはAI活用が推奨されていたり、実質的に義務化されていたりするケースもありますが、AIを使っていないからといって即マイナス評価になるわけではありません。
評価されるのは、あくまで出した価値です。
ただし、見落としがちなポイントがあります。
それは、AIによって「仕事の標準速度」が上がっているということです。
これまで2時間かかっていた下書き作成が30分でできる。議事録の整理が半分の時間で終わる。こうした変化が起きている環境では、「品質が同じで、作業が遅い」ことが、相対的に不利になる可能性があります。
つまり、AIを使っていないことよりも、AI時代の基準に追いつけていないことが評価に影響するのです。
「起点」を作り、AIで「加速」させる人が評価される
とはいえ、とにかくAIを使えばいいというほど単純ではありません。
たとえば、
・一次情報を観察してからAIに投げる
・最初は自分で書いてからAIで検証・推敲する
このように、自分が起点を作り、AIで加速させる使い方が重要です。
さらに経験を積むと、「この業務はAIを使わない方が早い」と判断できるようになります。
こうした「使うべきところで使い、使わないところでは使わない」が判断できる人は、AIを的確に使いこなせる人として信頼されます。
ただし、現時点では上司側の理解が十分でなく、こうした判断が評価されにくいケースがあることも事実です。
学生と社会人で「AIの使い方」はまったく違う
学生時代のAI活用は、多くの場合「正解に近づく」ための補助でした。一方、社会人のAI活用は「意思決定を前に進める」ための道具になります。
社会人の仕事では、
・誰が読むのか
・どんな制約があるのか
・利害関係者は誰か
・リスクはどこにあるか
・実装可能か
といった要素まで考える必要があります。
さらにはクライアント情報や自社戦略など、AIに入力できない情報もあるため、単にAIに答えを求めるだけでは不十分です。
AI時代に評価されるのは「答え」ではなく「判断」
社会人にとって重要なのは、「文章がうまいこと」以上に、判断の材料を揃え、前に進めることです。
AIを答えを出す機械ではなく、意思決定のための素材生成装置として使う。
そして、「何をAIにやらせるか」「何をAIにやらせないか」を判断する。
これができるかどうかが、AI時代の若手社会人の分かれ目になります。
(本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』著者、石井力重さんの書き下ろし記事です。書籍ではAIを使って思考の質を高める56の方法を紹介しています)
――『AIを使って考えるための全技術』P17より引用








