逆に、ハイテク株のように成長投資に注力する企業を含むS&P500やオルカンのほうが、長期的には大きなリターンが期待できる可能性があります。ですから、わたしはあくまでも確実性の高い資産形成のためにはインデックス投資を中心とする投資戦略を維持し、高配当株投資を最優先することはしない方針です。
米国個別株への
過度な期待は禁物
『お金はこれで増やせます 失敗したくない人のための投資の教科書』(節約オタクふゆこ 著、アスコム、税別1700円)拡大画像表示
みなさんの投資意欲に水を差すような話になりますが、もうひとつ注意喚起をしておきます。
わたし自身は、米国の個別株で「10倍株、20倍株を掴んでやろう!」といったギャンブル的な投資にはまったく興味がありません。
ニュースやSNSなどを見ていると、例えば「AI市場の拡大でサイバーセキュリティ株が熱い!」といったような目をひく情報がたくさんあります。こうした話を見聞きすると、「これはチャンスかも」と思う人は多いでしょう。
インデックス投資や日本の個別株投資だけをやっているうちは、米国株投資への参入に不安や壁を感じるものですが、米国ETFにまで踏み出すと、米国個別株投資への抵抗感も薄れてきます。そこで冷静さを失わないことが、しっかり資産形成していくうえで重要なポイントであると思うのです。
もちろん、どんな株式投資をするかは個人の自由です。果敢にチャレンジを繰り返すことで、大きな利益が生まれることもあるでしょう。しかし、慎重派のわたしから見ると、米国個別株のハイリターン狙いはあまりおすすめできません。
米国市場の10倍株や連続増配銘柄は大変魅力的ですが、浮き沈みは激しいですし、成長しない企業も無数に存在するからです。
例えば、2010年以降のGAFAMの成長は目覚ましく、S&P500全体のリターンを一気に押し上げました。それだけ聞くと、「米国市場全体が力強く成長している」ように思えてきます。
でも、S&P500からGAFAMを除いた残り495銘柄だけのチャートを見ると、「失われた30年」時代の日経平均株価とほとんど変わらない成長率なのです。仮に、あなたが2000年代に株式投資をはじめたとして、S&P500の構成銘柄のなかから、たった5銘柄のスター銘柄を見極めることができたでしょうか?
わたしは正直、自信がありません。「一部のスター銘柄に目を奪われると、市場全体の現実を見失いやすい」ということは、投資判断の際に絶対に忘れてはいけない事実です
また、これは投資家あるあるですが、例えば「○○○の急騰でめちゃくちゃ儲かった!」という個人投資家でも、他人にいわないだけで、実は他の銘柄にも多数投資して損失を多く出し、総合した収支はトントンであることも珍しくありません。
米国市場が過熱している状況にあっても、「成長性の高い銘柄」をピンポイントで予測することは簡単ではありません。それでも米国個別株投資をやるなら、全資産の1割程度のサテライト投資の範疇からはじめることを強くおすすめします。







