◆「なるほど、ここを見れば買い時がわかるのか!」プロが実践するIR情報の賢い読み方
ゴールドマン・サックスでアジアのトレーディングチームを率いた後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。マーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」など実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべきノウハウ”が満載!

【飛びつき買いはNG】プロがIR情報で探す…株価が跳ねる前の「7つのサイン」Photo: Adobe Stock

最終的な投資判断を下すためのノウハウ

株式投資において、「どの銘柄を買うか」と同じくらい重要なのが「いつ買うか」というタイミングです。有望な企業を見つけても、株価が大きく上がり切る前に投資できなければ大きなリターンは望めません。では、企業の業績が大きく伸びる「変化のタイミング」は、どのように見極めればよいのでしょうか。

そのヒントは、企業が公式に発表している「IR情報(投資家向け広報)」に隠されています。今回は、業績アップの予兆となる具体的なサインと、最終的な投資判断を下すためのノウハウをご紹介します。

業績アップの予兆を捉える「7つのサイン」

日々の決算短信や企業のニュースリリースをチェックする中で、次のようなトピックが出てきたらチャンスです。これらは企業の業績がこれから大きく伸びるサイン(予兆)となり得ます。

➊ 業績計画に対する良好な進捗:
会社が掲げた通年の目標に対して、計画を上回るハイペースで利益を出しているかを確認します。

➋ 季節性を考慮した前年対比での成長:
業界特有の繁忙期や閑散期を踏まえたうえで、昨年の同じ時期と比べて業績がしっかりと拡大しているかに注目します。

➌ 大がかりな設備投資の終了: 工場建設などの大きな先行投資が終わると、今度はその設備が稼働して利益を生み出す「回収フェーズ」に入り、利益率が急改善することがあります。

➍ 大規模な受注の獲得:
将来の確実な売上アップに直結する、非常にわかりやすい好材料です。

➎ 貸借対照表の「前受金」の大きな増加:
商品やサービスを提供する前に受け取るお金である「前受金」が増えることは、将来の売上がすでに約束されている状態を意味します。

➏ 投資家対応(IR)の活発化: 株主説明会やIRイベントを積極的に開催し始めた時は、企業側が「自社の成長や良いニュースを市場にもっとアピールしたい」という自信の表れであることが多いです。

➐ 経営トップの交代: 社長交代などを機に経営方針が刷新され、これまでの停滞から一気に成長軌道に乗るケースがあります。

サインを見つけたら「3つの観点」で最終チェック

上記の7つのサインを見つけたからといって、慌てて飛びついて投資するのは危険です。変化の兆しを発見した後は、冷静に次の「3つの観点」で情報を整理し、最終的な投資判断を下すことをおすすめします。

ビジネスモデル:
その企業がどうやって利益を出しているか、他社にはない競争優位性があるか。

➋ 広義のバリュー性:
現在の株価が、企業の持つ将来的な成長性や資産価値に対して割安な水準にあるか。

➌ カタリスト:
そのサインが、他の投資家たちに買われる「株価上昇の決定的なきっかけ(材料)」になり得るか。

これら3つの条件をクリアした時が、自信を持って投資に踏み切るベストタイミングです。IR情報は少し難しそうに見えるかもしれませんが、投資家にとっては宝の地図のようなもの。ぜひ、日頃から企業の発表にアンテナを張り、業績が化ける兆しをいち早く捉えるクセをつけていきましょう。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。