「ついヤバいと言ってしまう」「自分の考えをうまく言葉にできない…」
言いたいことがないワケではないのに、うまく言葉にできない。あなたにも、そんな悩みはありませんか?
小学校から企業研修、さらには少年院まで、さまざまな現場で教えてきた小説家が教える、世界一やさしい「言語化」にまつわる授業。知ってしまえば、今は語彙力ゼロでも、話し下手でも、「自分の言葉」でちゃんと話せるようになれてしまう!
本記事では、子どもも読めて、大人も楽しいビジネス書『小学生でもできる言語化』から、著者の田丸雅智氏にヒントをうかがった。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

「考えの浅い親」が子どもに言っている“NG口癖”・ワースト3Photo: Adobe Stock

Q.子どもに対して、使わないようにしている言葉はありますか?

――田丸さんはご自身の書き方講座で、小学校から高校まで、そして彼らの親御さんとも接する機会が多いのかなと思います。これまでの経験やご自身の体験から、子どもたちに言わないようとしている言葉などはありますか?

子どもに言ってはいけないNG口癖・ワースト3

田丸雅智氏(以下、田丸):あります。

 特に言わないようにしているのは、「できない」「苦手」「向いていない」とネガティブな方向に決めつけるような言葉です。

 書き方講座でも、子どもたちに対して「できてないよ」「向いてないよ」といった言葉は絶対に使いません

 気になるのは、親御さんが本人の前で「この子は国語が苦手なんです」「自分に似て◯◯ができないんです」と言ってしまっている場合です。

 それは事実なのかもしれませんし、あるいは、自分の子を少し下げて話す文化みたいなものに影響されているのかもしれません。

 ただ、いずれにしても、子ども本人はそれをそのまま受け取ってしまう

「自分はそういう人間なんだ」と思い込んでしまう危険があります。

 これは、言葉の力の悪い面です。だから僕は、そういう言い方はしないようにしています。

親の言葉は、子どもの思考の癖になる

――親にそう言われて育った子どもは、自然と自分でも言ってしまうようになりますよね。

田丸:そういう傾向はあるんじゃないかと思います。

「やっぱり自分はできないんだ」「どうせ苦手だし」という言葉が、口癖というより思考の癖になっていくんです。

 言葉と思考は密接につながっていますから、口にする言葉がそのまま考え方のクセになる

 それが繰り返されると、本能に近いレベルで染みついてしまうこともある。

 だから、やはり幼い頃の言葉の影響は決して少なくないと思います。

親の縛りから脱却する方法

――そういう思考の癖は、大人になってからでも変えられるものですか?

田丸:実際、僕自身にもあります。

 僕はどちらかというと保守的な家庭で育ちました。

 もちろん、そのおかげで授けてもらったものもたくさんあるのですが、一方で、何かにガンガン挑戦していくという雰囲気はあまりありませんでした。

 東京大学を目指したいと言ったときも、「もっと下げたほうがいいんじゃないか」と言われたことがあります。

 心配してくれたのだとは思っていますが、守りの印象が強かったですね。

――そんなときに、田丸さんはどうやって乗り越えてきたのでしょうか?

田丸今でも自分の中に「保守的になって止まってしまう癖」は残っています。

 でも、そこで大事なのが言語化です。

「あ、自分はいま保守モードに入っているな」「ここで止まってしまうのは思考の癖だな」と、自分の状態を言葉にして捉える。

 そうすると、次に「じゃあどうする?」と自分に問いかけて選び直せるんです。

 たとえ思考の癖を完全に消すのは難しくても、言語化によってうまく付き合っていくことはできる

 これは本当に大きいと思います。

(本記事は、田丸雅智著『小学生でもできる言語化』の著者インタビューです。)