米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は昨年終盤、同社のロボティクス部門とコンシューマーハードウエア部門のスピンオフ(分離・独立)について協議した。中核事業に負担をかけることなく、両部門の成長余地を広げる狙いがあった。この計画の一環として、スピンオフで誕生する2社は外部資金を調達し、より独立した形で運営できるようになるはずだった。しかし、この案は却下された。事情に詳しい関係者によると、その理由の一つは、2社がオープンAIのバランスシート上で引き続き連結対象となる可能性がある、と同社が判断したためだ。このスピンオフ案は、オープンAIが新規株式公開(IPO)の準備を急ぐ中で直面する難しいトレードオフを浮き彫りにしている。アルトマン氏は長年、人気のチャットGPTをはるかに超える野心的なプロジェクトを承認し、研究と製品開発の高い基準を設けようとしてきた。しかし今、収益の大幅な成長に貢献していない事業を抑制するよう、より強い圧力にさらされている。