まじめに働いているのに、なぜか評価されない。無駄話もせず、席を立つこともほとんどない。多くの人は「長く働くこと」や「目の前の仕事に集中すること」が評価につながると思っているが、実際には別のところで差がついているかもしれない。815社・17万3000人の働き方を分析してきた専門家・越川慎司氏によれば、職場で評価されている人ほど、ある目的のために席を頻繁に離れるという。
では、その目的とは何なのか。同氏の著書『会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)から、評価された人の77%が実践していた「職場での習慣」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

【仕事中の態度】三流は「黙々と働く」、二流は「手短に休憩する」、では一流は?Photo: Adobe Stock

まじめに働いているのに評価されない理由

 一日中、自席に座って仕事をしている。
 無駄話はせず、休憩も最小限にしている。

「ちゃんと働いているのに、なぜか評価されない」

 そんな違和感を覚えたことはないだろうか。

 周囲を見渡すと、頻繁に席を立ち、雑談も多い人のほうが評価されている。それを見て、「なぜあの人が?」と感じたことがある人も多いはずだ。

 これは、能力による差ではない。

「どこで、どんな情報に触れているか」という働き方の違いにある。

一流は「あえて立ち話」をしている

 815社17万人の「働き方改善」を支援してきた専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』で、職場での評価が高い人たちの共通点を次のように紹介している。

期待されている人の77%は、会議や全社メールといった公式連絡ではない「非公式な情報交換」をしていることが調査でわかりました。これは一般社員における比率の1.5倍です。
代表的なのが、立ち話です。とくに自販機前を情報収集拠点として活用していることがわかりました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

 評価される人ほど、あえて席を離れて「立ち話をする時間」をつくっていたのである。

 その理由について、越川氏はこう続けている。

ここで交わされるのは、ほんの数十秒の会話ですが、そこから得られる情報の価値は侮れません。
他部署の進捗や課題を察知することもあれば、「このお茶、また売り切れてるね」といった会話から「営業チームがイベント準備で遅くまで残っているらしい」と、会議や報告書には表れない現場の温度感を知ることもあります。
こうしたインフォーマルコミュニケーション(非公式な情報交換)は、公式な情報交換よりも信頼関係を深めやすいことが研究で示されています。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

 会議では出てこない話。
 資料には載らない現場の温度感。

 そうした「非公式情報」に触れているかどうかが、意思決定の精度を分けている。

 黙々と働く人は、目の前の仕事をこなす。一方で、評価される人は、組織全体の流れをつかむ。

 その違いが、やがて大きな成果の差として現れていくのである。

人生は「習慣」から変わっていく

 同書ではこの他にも、

・重要な仕事は「午前中」にやる
・「集中時間」を周囲に宣言する
・他部署の人を誘ってランチにいく
・「書きかけの資料」を社内で共有する
・疲れ方に合わせて休み方を使い分ける

 といった、職場で信頼され、チャンスを手にした人たちの意外な共通点を多数紹介している。

「現状を変えたい」と願う人は、知っておいて損はないだろう。

(本稿は、越川慎司著『会社から期待されている人の習慣115』に関連した書き下ろし記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。