やろうと思っているのに、なぜか動けない。新しいことに挑戦しようと考えても、「もう少し準備してから」「失敗しないように考えてから」と先延ばししてしまう。そんな経験はないだろうか。多くの人は、その原因を「意志の弱さ」や「能力不足」にあると考えるが、実際には別のところに原因があるかもしれない。マイクロソフトの元役員で、815社・17万3000人の働き方を分析してきた「働き方」の専門家・越川慎司氏によれば、行動力があり評価されている人たちが「使わない言葉」があるという。越川氏の著書『会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)から、停滞を抜け出すための「言葉の使い方」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「人生がうまくいく人」が職場で“絶対に使わない言葉”・ベスト1Photo: Adobe Stock

やろうと思っているのに動けない

 新しいことに挑戦しようと思っている。
 やらなければいけないことも、頭ではわかっている。

 それなのに、なぜか動き出せない。
 気づけば、同じ毎日を繰り返している。

「ちゃんと考えてからやろう」
「失敗しないように準備してから動こう」

 そう思うほど、行動は遅くなる。
 そして気づかないうちに、停滞が長引いていく。

 その原因は、能力ではなく「言葉の使い方」にあるかもしれない。

人生がうまくいく人は「挑戦」と言わない

 815社17万人の「働き方改善」を支援してきた専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』で、職場での評価が高い人たちの共通点を次のように紹介している。

会社から期待されている人たちの69%は、ランダムに抽出した1週間で参加した会議の中で、「試す」「検証する」「実験する」という言葉のいずれかを5回以上使っていました。これは一般社員における比率の3倍以上です。
一方で、あまり使わないのが「挑戦」です。
「挑戦しよう」と決めた瞬間、失敗が許されない気がしてきて、理想の姿と現実との距離が一気に広がり、結果として、やる気があるのに動けない状態に陥ることがあるからです。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

 評価される人ほど、「挑戦」という重い言葉を使わない。

 代わりに、「試す」「実験する」という軽い言葉で行動を始める。

 その言葉は、行動にも表れている。

期待されている人の多くは、「3日間」「1チーム」「1指標」など、対象を絞って始めていました。
実験は期限や制約があるほど動きやすくなります。
期間・対象・測定項目をそれぞれ1つに限定し、これだけは確かめると決めてから始めているのです。
――『会社から期待されている人の習慣115』より

「挑戦」と考えるから、失敗が怖くなって、動けなくなる。

「実験」と捉えるから、行動することが前提になって、小さく始められる。

 完璧を目指す人は、動けない。
 まず試す人だけが、前に進む。

 その違いが、やがて人生の大きな差となって現れていくのである。

人生は「習慣」から変わっていく

 同書ではこの他にも、

 ・重要な仕事は「午前中」にやる
 ・「集中時間」を周囲に宣言する
 ・疲れ方に合わせて休み方を使い分ける

 といった、周りに信頼され、チャンスを手にした人たちの意外な共通点を多数紹介している。

「現状を変えたい」と願う人は、知っておいて損はないだろう。

(本稿は、越川慎司著『会社から期待されている人の習慣115』に関連した書き下ろし記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。