評価が低い人は、能力が低いのではない。「評価につながる行動」を知らないだけだ。
たとえば、エレベーターでは静かに立つ。それが当たり前だと思っていないだろうか。余計なことをしないほうがスマートだと考えている人も多い。しかし、その「何もしない」時間が、知らないうちに評価の差を生んでいるかもしれない。815社・17万人の“評価と行動の関係”を分析してきた専門家・越川慎司氏によれば、職場で評価されている人たちはエレベーターの中で「ある行動」を意識的にとっているという。その小さな習慣の積み重ねが、「印象に残る人」と「信頼される人」を分けていた。
では、その習慣とは何か。同氏の著書『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(ダイヤモンド社)から、評価されている人の89%が実践する「ある習慣」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

頭の悪い人は「エレベーターで黙る」。では、評価される一流は?Photo: Adobe Stock

エレベーターで「黙る人」は損をしている

 エレベーターに乗ったら、静かに立っている。
 目的の階についたら、そのまま降りる。

 ごく当たり前の行動であり、特に問題はない。
 むしろ余計なことをしないほうがスマートだと思っている人も多いだろう。

 しかし、この「何もしない」という選択は、周囲との接点をすべて捨てているのと同じである。

 エレベーターは、1日に何度も訪れる数十秒の共有空間だ。
 にもかかわらず、そこで何もせずに終わる人は、「関係をつくる機会」を無意識に逃し続けている。

 結果として、

「印象に残らない人」
「話しかけにくい人」

 という評価が静かに積み重なっていくのである。

一流は積極的に「ボタン係」をする

 一方で、職場で信頼され、評価される「一流」たちは、まったく別の行動をとる。

『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』という本には、こう書いてある。

期待されている人たち(評価上位20%)の89%が、他人の目的階も押してあげる「ボタン係」を積極的にしていたのです。一方で、その他の一般社員でこの行動を取っていた人はわずか31%でした。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 さらに、その行動はボタンを押すだけではない。

彼らは単にボタンを押すだけではなく、乗り込んできた人に「何階ですか?」と声をかけ、降りる際には必ず「お疲れ様でした」と声をかけていました。
 この一連の行動により、たった20秒程度で「親切な人」「気配りができる人」「話しかけやすい人」という印象を相手の記憶に刻み、他部署とつながる土台を築いていたのです。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 この行動が評価につながる理由はシンプルである。
 人は「小さな親切」を受けた相手を覚えているからだ。

 たった一度のやり取りでも、印象は残る。
 それが積み重なれば、「信頼できる人」「感じのいい人」という評価になる。

 一流は、その事実を理解している。
 だからこそ、たった20秒の場面でも手を抜かないのである。

 エレベーターで「ボタン係」をする。

 これが、職場で信頼される「一流たち」の習慣なのだ。

(本稿は、書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用したオリジナル記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。