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個人所有のテクノロジーが企業を上回る時代、
快適でない情報セキュリティは淘汰される
――ヒュー・トンプソン/ブルーコートシステムズ バイス・プレジデントに聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第27回】 2013年7月23日
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 この問題は、一般的には企業側の「リスク」として語られてきました。ですが私は「チャンス」でもあると考えています。社員が「安全に」最新のテクノロジーを使える仕組みができさえすれば、業務効率が大幅に上がるからです。

 事実、高成長の企業ほど、新しいテクノロジーが業績によい結果をもたらしています。我々が世界のビジネスリーダー1900人に対して行った調査では、新技術は、高い成長を続けている企業の利益をさらに68%も向上させますが、低成長の企業では39%しか向上させないという結果が出ています。経営者は、セキュリティが不安だからといって古いシステムの使用を強要しているようでは、もはや社員の能力をフルに発揮しているとは言えません。

 つまり、コンシューマー向けの先端テクノロジーをビジネスに組み込み、そのパフォーマンスを維持しつつ「保護する」ことで、企業の競争優位を確保することが求められています。

――セキュリティを高めながらパフォーマンスも向上させるというのは、ユーザーから見れば理想的ですが、相当難しいのでは?

 ブルーコートは長年にわたりネットワークの高速化を進めてきました。たとえば「パケット・シェイパー」は、ネットワークの中身を分析し、重要でない情報の速度は落とし、その分を重要な情報の速度確保に振り分ける技術です。日本でも多くの企業に導入されています。また拠点間のネットワークをつなぐWANの高速化についても、定評をいただいています。これからも、セキュリティ強化とパフォーマンスの向上は両立できると自負しています。

セキュリティベンダーが
ビジネスの方向性をアドバイスする時代

――セキュリティベンダーが、今後の企業のITビジネスをリードする存在になるということでしょうか。

 前面に出ていくということではありません。セキュリティベンダーは、あくまで企業のビジネスをサポートする存在です。単に安全で快適な環境を提供するだけでなく、それを無色透明の存在に変えていく必要があります。

 よくお話しするのですが、ニューヨークの「タイムズスクエア」は、40年前は犯罪・麻薬・売春が絶えない非常に危険な街でした。それが多くの人の努力で、今では世界中のトップ企業がここに看板を出したいと希望する、世界を代表する繁華街の1つとなりました。

 具体的に何をしたのかというと、街中にカメラを設置し、24時間体制で監視を強化しました。ですが普段ここを歩く人は、監視カメラを意識することはありません。つまりセキュリティが透明な存在になっているのです。企業の情報セキュリティ技術も、この例のように利用者に意識されない存在になるべきだと考えています。

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