◆「配当金が増えたから買う」は危険?
大学時代からアニメや声優が好きな“典型的なモテないオタクの理系男子”が、入社した会社でボーナスを貯めた300万円を元手に株式投資をスタート。2年で10倍の3000万円に増やし、さらにその3000万円を1年で5000万円に増やした。結局、わずか5年で働きながら資産1億円を突破! その間、月々の給料は日々の生活費やアニメグッズ、声優の推し活に使い、株式投資への資金追加はまったくのゼロ。ズブの素人でも一つずつ階段をのぼりながら、比較的短期間でお金の不安を解消する投資法を初の著書『5年で1億貯める株式投資 給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資法』で徹底指南!

【高配当株投資の極意】「増配」のニュースに隠された“裏事情”とは?イラスト:ひらのんさ

【配当投資の極意】「増配」のニュースに隠された2つの背景と未来のシナリオ

株式投資において、「配当金が増える(増配)」というニュースは投資家にとって最も嬉しいイベントの一つです。配当金が増えれば、それだけで保有するメリットが高まり、株価を押し上げる強力な要因になります。

しかし、単に「お金が多くもらえるからラッキー」という理由だけで、新規にその株を買いに飛びつくのは禁物です。増配のニュースを本当の投資チャンスに変えるためには、その裏側にある仕組みを深く理解する必要があります。

企業が増配を決める「2つの異なる動機」

まず知っておくべきは、企業が増配を発表する背景には、大きく分けて2つの異なるパターンがあるという点です。

もちろん「増配」についても同様です。もともと決めていた「配当性向30%」といった自社の指針に沿って増配する場合と、株主還元を強化して配当性向を上げていく場合がありますが、
――『5年で1億貯める株式投資』より

ここで登場する「配当性向(はいとうせいこう)」とは、企業が稼いだ純利益のうち、何%を株主への配当に回したかを示す指標です。

前者の「指針に沿った増配」は、業績が伸びて会社全体の利益が大きくなったため、あらかじめ決めていたルールに従って結果的に配当金が増えたケースです。これは企業の「成長」を意味する非常に健全な増配と言えます。

一方で後者の「配当性向を上げていく増配」は、利益の大きさに関わらず、企業が「これからはもっと株主を重視する」と経営方針そのものを転換したケースです。どちらも同じ増配ですが、その意味合いは全く異なります。

数字の表面に騙されない「背景の深掘り」

だからこそ、私たち個人投資家が安定して利益を得るためのノウハウとして、次の意識が極めて重要になります。

大事なのはその背景を考えることです。
――『5年で1億貯める株式投資』より

ただ「増配した」という事実だけで満足せず、「なぜ今、この企業は増配できたのか」という背景を必ず深掘りしましょう。

例えば、本業の業績がそれほど良くないのにもかかわらず、無理に配当性向を引き上げた場合、それは手元の現金を無理に切り崩しているだけの「持続性の低い増配」かもしれません。逆に、本業が絶好調で、さらに経営陣が株主還元に目覚めたのであれば、それは文句なしの強力な買いシグナルとなります。

未来を見据えた「長期的な上昇シナリオ」の描き方

背景をしっかりと突き止めたら、最後にやるべきことは「未来の予測」です。

それによって長期的な株価上昇が見込めそうなシナリオが描けるかが大事なのです。
――『5年で1億貯める株式投資』より

目先の配当金(インカムゲイン)をもらうことだけが目的になってはいけません。「この増配をきっかけに、今までこの企業に注目していなかった多くの投資家が買いに集まり、株価そのものが大きく上昇(キャピタルゲイン)していくだろう」という明確な成長シナリオが描けるかどうかが、投資の成否を分けます。

ニュースの華やかさに踊らされず、企業の「真の実力」と「経営陣の意図」を冷静に見極めること。これが、配当投資で着実に資産を築いていくための武器となります。

※本稿は『5年で1億貯める株式投資 給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資法』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。