親に必要なのは、「工夫する余白」である。
「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が大好評発売中だ。「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅しているのが特徴だ。
本記事では、教育評論家の親野智可等氏にインタビューを実施。本書の内容をもとに、子育て中の親が疑問を抱きやすいテーマについて話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・佐藤里咲)

「何度言っても子どもが動かないのはなぜ?」→専門家が指摘した親の“勘違い”とはPhoto: Adobe Stock

小学校入学前後で身につけたい「歯磨き」の習慣

――小学校入学前後お子さんが自分でできるようになりたいおやくそくの1つが「歯磨き」ですよね。

親野智可等氏(以下、親野) そうですね。仕上げ磨きも必要ですが、まずはお子さんが自分自身でブラシを持つ習慣をつけられると良いでしょう。

まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』にも、「きれいに はを みがこう」という項目があります。歯磨きの手順がわかりやすくまとめられています。

「何度言っても子どもが動かないのはなぜ?」→専門家が指摘した親の“勘違い”とは『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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①はブラシに はみがきこを だそう。
②おくの はまで やさしく みがこう。
③はブラシで べろの うえを やさしく なでよう。
④はみがきこの あじが なくなるまで くちを ゆすごう。

『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用。

――ですが、子どもたちのなかには、歯磨きを嫌がる子も多いですよね。

親野 そうなんです。

でも、「歯磨きしなきゃダメでしょ」「自分で磨かなくちゃ」と言うと、子どもも親も嫌な気分になってしまう。

親が「やりたくなる仕掛け」をつくる

――親としては、子どもがあまりに言うことを聞かないと怒ってしまうこともあると思います。どのように声かけができるといいのでしょうか?

親野 ちょっとした「言葉の工夫」が大事だと思っています。

あるお父さんの話なんですが、子どもが歯磨きを忘れたときに、「食べた後にやることって何だったかなあ。ああ!思い出せないなあ」と変顔をしながら身もだえして言ったそうなんです。

すると子どもが、「歯磨きだよ! パパ忘れちゃったの?」と言って、うれしそうに歯磨きを始めたそうです。
ちょっとしたユーモアですよね。

――面白いですね! 嫌だった歯磨きが、お父さんのユーモアで少し楽しくなりそうです。

親野 もう一つ、面白い工夫があります。

それは、歯磨きの味をさまざま用意しておくことです。
そして、「歯磨きしなさい」ではなく、「今日は何味の歯磨きにする?」と聞くんです。

すると子どもは「何味にしようか」と考え始めます。
この時点で、頭の中ではもう「歯磨きをするのは当然」ということになっているので、実際の行動に結びつきやすくなるわけです。

方法の工夫もあります。
また、あるご家庭では、朝食の配膳をするときに歯ブラシセットも一緒に食卓へ出しているそうです。
食べ終わったら歯磨きをするという流れが自然に見えるようになっているんですね。
これも見える化の一種です。

結局のところ、方法や声かけを工夫して、子どもが「やりたくなる仕掛け」を作ることが大切なんですよ。
その方が親も子もずっと楽になります。

(本記事は『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)